・4. この病気の原因はわかっているのですか
結節性硬化症では、TSC1 、あるいはTSC2 という細胞増殖を抑制する遺伝子に異常が認められ、その結果、異常細胞、すなわちLAM細胞、が増殖すると考えられています。
孤発性LAM でも、LAM細胞にTSC2 遺伝子の異常が検出されると報告され、原因のひとつと考えられています。
LAM細胞は、コラーゲンなどの蛋白質を分解する酵素を出して肺に穴をあけるのではないかと考えられています。
5. この病気は遺伝するのですか
孤発性LAMは、遺伝するとは考えられていません。
結節性硬化症は遺伝(常染色体優性遺伝)を示す疾患であり子供に1/2の確率で遺伝します。結節性硬化症の患者さんは、孤発性LAM患者さんに比べてより多くの臓器(脳、皮膚、心臓、肺、腎臓、など)で病気を生じますが、生じる臓器の組み合わせは様々です。
また、結節硬化症でもあまり明らかな異常を示さない場合(不全型)もあります。
結節性硬化症が遺伝しても、皆がLAMを発症するわけではありません。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
主な症状は肺病変によるもので、労作性呼吸困難、咳嗽、血痰、喘息様の喘鳴、などを認めます。
また、肺が破れて空気が漏れる(気胸)、胸やお腹に水が貯まる(乳糜(にゅうび)胸水、腹水)を合併することもあり、それに伴う胸痛、呼吸困難、腹満を認めることがあります。
腎臓の血管筋脂肪腫から出血を認めることもあります。結節性硬化症では、LAMによる症状の他に、てんかん、皮膚病変など結節性硬化症による症状も認められます。