拘束型心筋症 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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5. この病気は遺伝するのですか
二次性拘束型心筋症のなかには、一部、遺伝性を示す病気があります。

アミロイドーシスや蓄積症(表)などの代謝異常症には遺伝性を有する病気が多くみられます。

特発性拘束型心筋症については、患者さんの家系内に拘束型心筋症や肥大型心筋症が認められる場合があり、現在遺伝子解析の研究が行われています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
軽症の場合は無症状のことがありますが、病気が進行すると心不全、不整脈、塞栓症などがおこります。

心不全症状としては、息切れや息苦しさ(呼吸困難)、動悸、全身倦怠感、手足や顔のむくみ(浮腫)が現れます。

さらに、重症になると、黄疸、胸水、腹水などもみられます。脈の乱れ(種々の不整脈)や、脈拍数の増加(頻脈)による胸部不快感や動悸を感じることがよくあります。また、心臓の内腔壁に血液の固まり(血栓)が付着しそれが剥がれて末梢の血管に詰まること(塞栓症)があり、合併症として脳梗塞、腎梗塞、肺梗塞などが起こります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか
拘束型心筋症は収縮性心膜炎と臨床像がまぎらわしいことがありますが治療法が異なりますので専門医による鑑別診断が重要です。

二次性拘束型心筋症の場合には、原因疾患の治療が原則ですが、有効な治療法があるものは必ずしも多くありません。従って、対症療法として、心不全、不整脈および血栓・塞栓症の治療が大切です。

a. 心不全の治療
この病気の主症状はうっ血性心不全であり、他の疾患による心不全患者の治療法ととくに大きく異なることはありません。

ただし、本症の心不全の病態の特徴は拡張不全であり心臓の収縮能は保たれているため、治療薬の主流は利尿薬です。

心不全に対してジギタリス剤を用いることもあります。

b. 不整脈の治療
この病気では脈の乱れ(不整脈とくに心房細動)がしばしばみられます。

この心房細動の出現によって、急激に症状が悪化することがあるので、種々の薬(抗不整脈薬)を使って治療します。

薬だけでうまく治療できない場合には、心臓カテーテルによる電気生理学的な治療(房室結節焼灼術)と永久ペースメーカー植え込み術の併用を行うことがあります。

c. 血栓・塞栓症の予防
脳梗塞や心房細動があり、心臓のなかに血栓の形成が疑われる患者さんには、 塞栓症の予防のために長期にわたる抗血小板療法や、ワーファリンによる抗凝固療法が必要です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
この病気の予後はその原因により様々です。二次性拘束型心筋症のなかで、心アミロイドーシスの予後は非常に悪く、心異常が認められてから数年以内に亡くなることが多いようです。

特発性拘束型心筋症の自然歴は比較的長く、心不全状態が何年間も続く患者さんが多くみられます。

しかし、中には心臓の機能が著しく低下し薬剤投与だけでは重症の心不全で死亡することがあり、心臓移植の適応となる症例もあります。