「シックスクール対策」について
市民活動推進課に設置している「NPOとの協働推進窓口」への相談について、対応した事例結果を報告します。
◆話し合いの内容
自己紹介の後、環境科学研究所 高柳氏から、研究所の活動内容の概要説明および今回の提案内容について説明があった。
▼提案内容
環境科学研究所の掲げるミッションの中心として、佐賀県特許である「光触媒酸化チタン」の普及がある。酸化チタンに対する認知不足から知名度がなかなかあがらないが現状であるが、これまで当研究所では酸化チタンに関する情報や活用のノウハウを蓄積してきている。
酸化チタン光触媒は、建材からのホルムアルデヒド、 接着剤からのトルエンなどの揮発性有機物質についても低減させる能力を強く持っていることから、全国的に問題となっているシックハウス、シックスクール症候群の対策として利活用されている。
佐賀市においても小中学校におけるシックスクール対策に乗り出しているが、完全に方策が決定する前に、効果期待度の高い酸化チタン光触媒や木炭素材などに関する当研究所の持つ情報やノウハウを提供したいので是非参考にしていただきたい。
説明の後の話し合いの内容については次のとおり。
<施設係>
酸化チタンや木炭素材品についての存在はいろんなところから情報提供があっているので、ある程度の情報は把握している。佐賀市内の学校における環境測定を実施したところ、非常に高い有害物質濃度の数値が出た。このシックスクール対策として、部分的な改装や換気扇の設置などを緊急的な措置として行っている。最近、東京の専門家にシックスクールの現地調査を依頼して実施し、市教委とその専門家との話し合いの中では、今後様々な人に対して問題のない環境にしたいという目標を立て、その対策としては原因を緩和する方法ではなく、測定を繰り返しながら原因を特定し、根本となる原因の取り除き(有機物質放出材料の除去)を中心にしていくという方向性を打ち出している。次のステップで、皆さんの持っている情報を提供してもらい検討していきたいと考えている。
<研究所>
調査の際に計測する物質が基準数値以下だと確認されても、依然として症状が発生する人もいる。こういう場合なかなか原因が特定できないが、どのように対応していくのか。
<施設係>
有害物質を放出する材料を使用しないこと、それでも発生する有害物質を分解する方法を採用するという二本立てで進めていけば解決の糸口が見えてくるようなイメージを持っている。確かに原因が特定できない場合も十分に考えられるし、原因緩和の必要性も十分理解しているので、原因の除去を主眼としながら、緩和の方法も取り入れていきたい。今回調査を行った中で、神野小学校は有害物質の計測数値が非常に高かったので、緩和措置ではなく除去措置の実施を考えている。ただ、すべての学校に同様の措置を一律的に実施するつもりはなく、臨機応変な措置としたい。
<研究所、施設係>
アレルギーの症状すべてに対応できるような総合的な措置の実施は物理的に不可能であるが、一人でも二人でも効果がある対策ならば導入を考えていきたい。そうすべきだ。
<研究所>
シックハウスの原因の特定は非常に困難であると考えるので、まずはベターな方法である緩和措置の導入を図ってはどうか。
<施設係>
まずは原因の除去をメインの措置としたい。その補助的な役割として緩和措置を取り入れていきたいと考えており、その方法として酸化チタンも候補の一つとして考えていきたい。酸化チタンに限らず、対応方法として良いものがあれば東京の専門家とも相談しながら取り入れていきたいと思っているので、そのときは情報の提供などもお願いしていきたい。
今後、研究所も情報提供を発信していき、教育委員会も様々な対策を考えていくこと、現在対策の実験段階である神野小学校の結果が見えてきた頃に、再び話合いの場を持つかどうかを決めることを確認して、散会となった。
runより:佐賀県もシックスクールや化学物質過敏症に力を入れている様です