wikipediaより
酢酸ビニル(さくさんビニル、Vinyl acetate)は、分子式C4H6O2の有機化合物。ポリ酢酸ビニルの合成に使われる。工業的にも重要な物質であり、別名が複数ある。酢酸ビニールとも呼ばれるが、学術用語としては「ビニル」が正しい。酢酸ビニル(モノマー)は光や熱で容易に重合してしまうため、微量の重合禁止剤が添加されている。そのため、重合実験などで使用する際は精製して重合禁止剤を除去する必要がある。
用途 [編集]
ほとんどが合成樹脂の原料として、ポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニル、もしくはエチレンとの共重合体の製造に使用されている。
重合禁止剤(じゅうごうきんしざい、英: polymerization inhibitor)は、光や熱の影響によって重合反応を起こしやすい物質に添加して、それを阻害する試薬である。単に禁止剤とも呼ばれる。市販されているモノマーには重合禁止剤が添加してあるので、重合反応を行うときは蒸留、洗浄などして取り除く必要がある。
よく使われる重合禁止剤の一つにヒドロキノン誘導体がある。ヒドロキノンはモノマーに発生したラジカルによってフェノール性水素を引き抜かれて安定ラジカルを形成し、ベンゾキノンを生成する。また、生成したベンゾキノンも禁止剤として作用する。