wikipediaより
塩化アリル(えんかアリル、Allyl chloride)は、示性式 CH2=CHCH2Clの有機ハロゲン化合物である。無色の液体で、水には不溶だが、有機溶媒には溶ける。一般に製薬、農薬のアルキル化剤として使われている。また、合成樹脂の架橋剤原料としても使用され、一部の熱硬化性樹脂を構成している。毒性があり、燃えやすい物質である。
国際化学物質安全性カードより
物理的状態; 外観:
刺激臭のある無色の液体。
物理的危険性:
この蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある。遠距離引火の可能性がある。
化学的危険性:
酸、熱、過酸化物の影響下で重合することがあり、火災や爆発の危険を伴う。燃焼すると、有毒で腐食性のフューム(塩化水素[ICSC0163])を生成する。強力な酸化剤や金属粉末と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 水と反応し塩酸を生成する。 プラスチック、ゴム、被膜剤を侵す。
許容濃度:
TLV:1 ppm(TWA);2 ppm(STEL);(皮膚) A3(動物実験では発癌性が認められているが、人との関連は不明な物質) (ACGIH 2004)
MAK:皮膚吸収(H);発癌性カテゴリー:3B (DFG 2004)
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
暴露の経路:
体内への吸収経路:吸入、経皮、経口摂取。
吸入の危険性:
20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急速に有害濃度に達することがある。
短期暴露の影響:
眼、皮膚 、気道を刺激する。中枢神経系に影響を与えることがある。高濃度の蒸気を吸入すると、肺水腫を起こすことがある(「注」参照)。これらの影響は遅れて現われることがある。
長期または反復暴露の影響:
末梢神経系、心血管系、腎臓、肝臓に影響を与え、腎障害、肝障害を起こすことがある。
物理的性質 ・沸点:45℃
・融点:-135℃
・比重(水=1):0.94
・水への溶解度:0.36 g/100ml(20℃)
・蒸気圧:39.3 kPa(20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):2.6
・20℃での混合気体(蒸気/空気)の相対密度(空気=1):1.6
・引火点:-32℃(C.C.)
・発火温度:390℃
・爆発限界:2.9~11.2 vol%(空気中)
・log Pow(オクタノール/水分配係数):2.1
環境に関する
データ
・水生生物に対して毒性がある。
身体への暴露
吸入 咳、咽頭痛、頭痛、めまい、脱力感、息苦しさ、嘔吐、意識喪失。
皮膚 発赤、灼熱感、痛み。
眼 発赤、痛み、かすみ眼。
経口摂取 腹痛、灼熱感、嘔吐。