wikipediaより
四塩化炭素(しえんかたんそ、英: Carbon tetrachloride)は、化学式 CCl4 で表される化学物質である。IUPAC名はテトラクロロメタン(英: tetrachloromethane)である。溶媒などとして用いられる。
通常の温度では引火性はない。
高温下で金属と接触させることによりホスゲンが生成する。水分が共存すると徐々に分解し、鉄などの金属を腐食するので、水分の混入を避けて、風通しのよい冷所に保管する。
安全性 [編集]
麻酔性があり、高濃度の蒸気や溶液に晒されることにより中枢神経に悪影響を与え、長期に暴露するなどした場合は昏睡、そして死亡する可能性がある。また慢性的な暴露により肝臓や腎臓に悪影響を与え、時としてがんになる可能性もある。
作用機序としては、四塩化炭素がシトクロムP450(cytochrome P450 2E1) により代謝され、反応性の高いトリクロロメチルラジカルを生じるというものが考えられている。国際がん研究機関の発がん性評価では、グループ2Bの「発がん性の可能性がある物質」に分類されている。取り扱う際にはMSDSなどにより情報を収集し、十分に注意を払う必要がある。
日本では労働安全衛生法により第1種有機溶剤に、PRTR法により第1種指定化学物質に、毒物及び劇物取締法により原体と製剤が劇物に指定されている。