オクタン (octane) は炭素を8個持つ飽和炭化水素の呼称である。石油(あるいはそれを分留したガソリン)中に含まれる。分子式は C8H18、分子量は 114.23 で、18種類の構造異性体が存在する。IUPAC命名法によるオクタンは直鎖状 (CH3(CH2)6CH3) のn-オクタン(ノルマルオクタン、n-octane)であり、その融点は -60 ℃、沸点は 125 ℃、CAS登録番号は [111-65-9]。広義のオクタンは、C8H18 の分子式で表せるアルカンの各構造異性体をさす。
ガソリンのオクタン価の測定基準として使用されるのは構造異性体のひとつ、2,2,4-トリメチルペンタン(イソオクタン)である。
オクタン価 [編集]
ガソリン成分中で耐ノック性が比較的高いイソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)のオクタン価を 100、耐ノック性が低い n-ヘプタンのオクタン価を 0 とし、試料のガソリンと同一の耐ノック性を示すようなイソオクタンと n-ヘプタンとの混合物中に含まれるイソオクタンの割合(容量比)を、その試料のオクタン価とする。一般論を言えば、枝分かれの多い飽和炭化水素であれば耐ノック性は高い。また、ノックの原因となるヒドロキシルラジカル (•OH) の捕捉剤として、炭化水素のラジカルを発生するものを与えれば耐ノック性は向上する。
耐ノック性の測定は、混合気に着火した時の炎の伝播速度で測定する。伝播が遅いほどオクタン価が高い。 内燃機関に於いては、理論上シリンダー内のピストン位置が上死点で混合気に着火し、ピストンが下死点に移動した時点で爆発が終了するのが最も効率が良く、ノッキングも起こさないため。 燃焼エネルギーを一瞬で解放するよりも、ピストンの動きにつれてゆっくり解放した方が効率的と言うことである。
出力価 [編集]
上記のように、耐ノック性が高いイソオクタンが上限であるため、オクタン価は100が最高値となるのだが、対ノック性の高い添加剤の性能アップによりそれだけで表すのが困難になってきたため、第二次世界大戦時、アメリカで研究された上で定められた出力価(パフォーマンス価とも呼ばれる)が航空機用ガソリンに利用されることとなる。オクタン価が、単純に成分比率をあらわしたものであるのに対し、出力価は、ノッキング防止の添加物を含んだ燃料をあらわす単位である(表記は「グレード***/***」となる、*は数字)。左側はエンジンの巡航状態でイソオクタンに対してその燃料の出力比、右側は最大出力時をあらわしているもので、例えば、イソオクタン1ガロンあたり、テトラエチル鉛1.284cc混入した燃料の場合。イソオクタン単体での使用したときとの出力比較が100パーセントに、最大出力時は130パーセントとなるため、出力価での表記は「グレード100/130」となる。
なお、この出力価の数値を高めるためにテトラエチル鉛が使用されていた(有鉛ガソリン)が、鉛公害問題解決のためと排ガス規制の触媒の被毒を防ぐために廃止された。
JISではリサーチ法オクタン価を採用しており、燃焼試験で得られたデータを基にオクタン価を設定している。よって、市販されているオクタン価100のガソリンだからといって、イソオクタン100%という意味ではない。また、欧米各国でも方法は異なれど燃焼試験によってオクタン価を設定しており、イソオクタンの割合のみで示されるオクタン価は最早形骸化していると言ってもいい
高オクタン価ガソリン(こうオクタンかガソリン)とは、レギュラーガソリンより高いオクタン価を持つガソリンのことである。
英語では「high-octane」と書き、「ハイオクテイン」と発音する。 このガソリンは、「ハイオクガソリン」、「ハイオク」、「プレミアムガソリン」、「ハイオクタン価ガソリン」などといういくつか異なる名称で呼ばれ、ガソリンスタンドでも独自の商品名で呼ばれることが多い。 高オクタン価とは、石油燃料を内燃機関で燃やしたときにノッキングと呼ばれる障害の起こしにくさ(アンチノッキング性)の度合いが高いことを示しており、揮発性の有無や燃焼カロリーとは関係がない
runより:多少関連記事を混ぜて編集してます。いうなるハイオクガソリンに使用される物です。