4.移植片対宿主病GVHD(graft-versus-host disease) について
大量輸血や骨髄移植によって導入されたドナーの免疫担当細胞(Tリンパ球)が移植を受けた宿主を標的として攻撃する免疫反応のことである。発症機序はHLAホモ接合体AAの遺伝形質を有する血液(供血者)をHLAヘテロ接合体のABの人(受血者)に輸血すると、自己と同じハロタイプのAのみを持っているため、ABにとってはAAをnon-selfと認識できず、受血者体内に生着して増殖する。そしてAAはABをnon-selfと認識し、細胞障害性T細胞を誘導して受血者の各体組織を攻撃する。皮膚の場合は抗原認識細胞である表皮ランゲルハンス細胞が活性化され、表皮および単核細胞におけるHLAクラスII抗原の発現によりTリンパ球から攻撃性サイトカインが分泌され、皮膚炎が発症する。
発症時期により次の三型に分けられる。
1)超急性型:一~二週間後に発症し、高熱、下痢、肝障害、全身性発疹(紅班、丘疹、紫斑)が出現し、次いで骨髄無形成、汎血球減少を生じ、末期には敗血症、意識障害、急性腎不全などで死亡する。
2)急性型:100日以内に出現し、発疹、下痢、肝障害を三主徴とする。
3)慢性型:100日前後から発症し、扁平苔癬様または全身性硬化症を思わせる多彩な皮膚症状が出現する。多臓器障害を伴うことがある。皮膚病理所見は、表皮内へのTリンパ球浸潤、基底層の液状変性、表皮角化細胞の好酸性壊死(satellite cell necrosis)が特徴的である。
runより:薬物アレルギーや薬物過敏症も化学物質過敏症と併発しやすい病気です。なぜそうなるのかは未解明ですが化学物質過敏症は色々な過敏症の入り口を兼ねてるのかもしれません。