ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議16 | 化学物質過敏症 runのブログ

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その後も、過失が認められずに訴えが棄却される裁判所の判断が続きました。しかし、新築分譲マンションに関するケースで、平成17年、東京地裁は、一般論ではなく個別論ですが、ホルムアルデヒドの室内濃度が指針値を上回っていることが民法上の「瑕疵」に該当するという判断を示し、売買代金の返還などを認めました。ただし、このケースは、ユーザーがCSという健康被害までには至らなかった案件でしたので、この点は判断の対象となりませんでした。

 その後、平成18年に至り、量販店で購入した電気ストーブから揮発した化学物質に曝露したケースや、医療現場で消毒液に繰り返し曝露した看護師のケースで、いずれもCSを健康被害とする損害賠償請求がようやく認められるようになりました。それぞれ後遺障害等級14級相当あるいは12級相当として金額が算定されています。

 さらに、平成21年、新築マンションを購入して入居した後にCSに罹患したという典型的なシックハウス事案において、建材から放散されているホルムアルデヒドとCSとの因果関係を明確に認め、CSについて後遺障害等級11級相当と認定して逸失利益などの損害を算定した判断が、東京地裁で示されま
した。

このように、日本の裁判所においても、15年前には「仮説」と切り捨てられていたCS被害が、正面から健康被害として認められるようになり、まだまだ十分とは言えないにしても、社会的認知の高まりの中で、過失まで認定されるようになってきました。