ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 11 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

3.特異的順応症候群(SAS)
 環境医学者であるセロン・ランドルフ教授(内科医、精神科医)は、化学物質過敏症には発症前に長期にわたる順応期があるということを発見し、「特異的順応症候群(The Specifi c AdaptationSyndrome:SAS)」という概念を構築しました。
 特異的順応症候群(SAS)
 SASは、①警告期、②順応期、③疲労期の3つのステージに分けられます。第一期の警告期は、ストレス因子となるアレルゲンを摂取した時に、一時的に気分が落ち込むのですが、それは短期間で終わります。

次に、ストレス因子を継続的に摂取していくと、第二期の順応期に入ります。

この期間のほとんどは、気分は高揚していて、自覚症状はありません。この期間は数カ月から数年にわたります。

その後もさらにストレス因子の摂取が続くと、移行期を経て第三期の疲労期に入ります。ここではじめて病気だという自覚症状が出てくるのです。

この順応という反応は個人個人で異なっているため、特異的順応症候群と名付けられています。
4.MCSの原因
 MCSの原因としては、①突発的な先行事件、②トリガー(発症のきっかけ)、③メディエータ(憎悪因子、仲介因子)の3つがあります。

1)突発的先行事件
 まず、突発的先行事件とは、溶剤、ペンキ、殺虫剤、厚生物質、重金属等といった化学物質に過度に暴露するという事件に突発的に遭遇したとき、それが誘因となって、MCSを発症してしまうということです。
2)トリガー
 次に、患者の火のついた状態(慢性大腸炎や消化不良など)を継続的に引き起こす原因となっているものが、寄生虫、病原性バクテリア、酵母菌、カビ菌、食物抗原、毒物摂取などです。これがトリガーになっています。
 腸の機能が損なわれることで、解毒のための酵素の働きが落ちてしまったり、腸管の神経細胞にストレスを与えたりしてしまっているため、このようなダメージを治療する必要があります。
 一方、MCSの患者の場合、溶剤、プラスチック、香水、医薬品など、化学組成の異なる化学物質に曝露されると、継続的な曝露か偶発的な少量曝露かにかかわらず、MCS発症のトリガーになるおそれがあります

したがって、これらの原因を突き止め、取り除く必要があります。

3)メディエータ
 メディエータとは、病状の発現に寄与する媒介因子や代謝産物のことです。これもまた、トリガー同様、それ自体が病気の原因となるわけではありませ
ん。メディエータには、生化学物質(サイトカイン、プロスタノイド等)、イオン(水素イオン等)といった物質の他に、社会的因子、心理学的因子、文化的因子といった多種多様なものが考えられます。
 

MCSの患者は、個々人がそれぞれに、上記のような3つの異なる発症の原因を持っています。

脳と体に火をつける慢性的な炎症を抱えているような状態なのです。