診断方法5 青色刺激による瞳孔の反応
今までの診断方法はかなり分かっている話ですが、ここでは、光の色と人間のバイオリズムという、最先端の研究の話をしましょう。
現在、新しい光受容体「メラノプシン(melanopsin)」が大きな話題を呼んでおります。
メラノプシンは、特殊な神経細胞が含んでいるタンパクで、青い光の刺激で誘発され、自律神経を通じて脳の働きに影響を与え、主に交感神経系の生体のバイオリズムを制御します。
それが狂うことにより、複雑な愁訴を起こし、化学物質過敏症の診断に影響する可能性が期待されています。
診断方法6 近赤外線脳血管酸素モニター
これは、脳の組織内のヘモグロビンの酸素濃度の変化を測る検査です。
患者の前頭葉又は後頭葉に表面電極を付け、患者の了解を得てエタノール、イソクロピルアルコール、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどを微量に与え、患者に立ったり座ったりしてもらい、脳の血管の動きを測定します。この
方法を使うと非常に簡単に検査ができます。(角田和彦医師)
脳の血管に反応が出る患者には、頭痛・めまいなどを伴っている場合が多く、非常に強い蕁麻疹、咳込みがある、呼吸がつらいという人もいました。
3.今後の問題
有機リン剤の毒性には、うつ、傾眠、過食・拒食、動脈硬化性血管障害・代謝障害などの色々な問題が生じてきますが、今後大きな問題となるのは、遅発性の神経毒性の注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症などでしょう。小児の神経系の影響が最も重要視されています。
たとえば、農薬を使わない地域の子供達と使っている地域の子供達は、前者は55カ月くらいで絵を描くのが上手になってきますが、農薬多使用地区では
絵の書き方が幼稚で、上手に描けなかったりしているという報告があります。