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第1 室内空気中化学物質の基礎知識
一日のうち約8時間を学校で生活する児童生徒にとって,教室内の空気環境
は快適・清浄でなければなりません。教室の温熱条件及び空気清浄度の良否は
教室で生活する児童生徒の健康はもとより,学習意欲にも影響を与えるからで
す。
最近の学校施設は,新築・改築・改修,教材やパソコン等の様々な原因で教
室内で刺激臭を含む臭いが発生し,児童生徒はこれを不快と感じ,頭痛等の健
康影響も生じる,「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」が問題となっ
ています。その原因として,ホルムアルデヒドをはじめとする揮発性有機化学
物質等の室内発生も一つの原因と考えられています。
◎シックハウス症候群とは
住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により,新築・
改築後の住宅やビルにおいて,化学物質による室内空気汚染等により,居住者
の様々な体調不良が生じている状態が,数多く報告されている。症状が多様で,
症状の仕組みをはじめ,未解明な部分が多く,また様々な複合要因が考えられ
ることから,シックハウス症候群と呼ばれる。
(シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書)
学校環境衛生管理マニュアル 平成16 年3 月文部科学省作成から引用
◎化学物質過敏症とは
「未解明な部分が多い疾患だが」と断わりながら,「化学物質過敏症は今ま
での中毒の概念では考えられない極めて微量の化学物質により不定愁訴様の
症状をきたし,アレルギー疾患的な特徴と中毒的な要素を兼ね備えた後天的な
症候群である。一般的に症状そのものに特徴がなく,体のあちらこちらの臓器
で,多発的にいろいろな形で現れ,アレルギー様症状と自律神経の症状を主体
としている」(北里大学の石川哲教授らのグループ)
学校環境衛生管理マニュアル 平成16 年3 月文部科学省作成から引用