水道法施行規則第17 条第1 項第3 号
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/.(結合残留塩素の場合は、0.4mg/.)以上保持するように塩素消毒をすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離留塩素は、0.2mg/.(結合残留塩素の場合は、1.5mg/.)以上とする。
○ 水質基準に関する省令の改正
水道法の水質基準は、旧基準省令の公布からおおむね10 年が経過し、この間に新たな水道水質に係る問題が提起され、水道水質管理の充実強化が求められていること、世界保健機関(WHO)において飲料水水質ガイドラインの改訂に係る検討が進められたこと、さらに規制緩和の流れの中で水道水質管理の分野においても水質検査の合理的・効率的な実施が求められていること等を踏まえて、平成15 年5 月、水質基準に関する省令は大幅に改正された(厚生労働省令第101 号、平
成16 年4 月1 日から施行)。
それまでは、全国的に問題となる項目は水道法第4 条に基づく水質基準項目とされ、地域的に問題となる項目は通知による行政指導とされていたが、この改正では、従来のこのような考え方を廃し、全国的にみれば検出率が低い項目であっても、地域、水源の種別、浄水方法により、人の健康を害する又は生活上の支障を生じるおそれのあるものは、すべて水道法第4 条に基づく水質基準項目とされた。
また、このような考え方により水質基準項目が定められたことに伴い、水質検査においては、各水道事業者が、原水や浄水の水質に関する状況に応じて、合理的な範囲で検査の回数を減じる又は省略を行うことができるよう、水道法施行規則において、検査の回数及び省略に関する規定の整備が行われた。
その後、水質基準に関する省令については、水質基準の表に「塩素酸」が追加、「1,1-ジクロロエチレン」が削除、「シス-1,2-ジクロロエチレン」が「シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン」に変更、「有機物(全有機炭(TOC)の量)に係る水質基準が3mg/.以下に強化されるなどの改正が行われている。
このため、水質基準に関する省令等の改正については、日ごろから関係部局と連携をとり情報 収集に努める必要がある。
参考として、平成21 年4 月時点における(1)~(4)の各水質の基準を示す。
なお、最新の水質基準については、下記厚生労働省ホームページで確認できる。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/index.html
水道水質基準 検索
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検査項目 基準
ア. 一般細菌 1ml の検水で形成される集落数が100 以下であること。
イ. 大腸菌 検出されないこと。
ウ. 塩化物イオン 200mg/.以下であること。
エ. 全有機炭素(TOC)の量又は過マンガン酸カリウム消費量(以下「有機物等」という。)3mg/.以下であること。
過マンガン酸カリウム消費量は、10mg/.以下であること。
オ. pH 値 5.8 以上8.6 以下であること。
カ. 味 異常でないこと。
キ. 臭気 異常でないこと。
ク. 色度 5 度以下であること。
ケ. 濁度 2 度以下であること。
コ. 遊離残留塩素 給水における水が、遊離残留塩素を0.1mg/.以上保持するように塩素消毒すること。
ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2mg/.以上とする。
○ この項は、貯水槽経由給水に当たる簡易専用水道及び小規模貯水槽水道等の水道水を水源と
する飲料水の水質基準である。
○ この検査項目は、安全な飲料水であることを確認する最低限必要な項目である。
○ 特定建築物に該当する校舎等を有する学校については、当該校舎等が、上記ア~コの検査項目及び検査回数とは別に建築物衛生法に基づく基準が適用されるので、併せて遵守する必要がある。