小規模貯水槽水道】
小規模貯水槽水道とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするもので、水槽の有効容量の合計が10m3 以下のものをいう。
管理についての明確な規定が設けられていないため、水道事業者や地方自治体が具体的な指導等を行うこととされている。
貯水槽の回転数(率)は、1 日の間に、貯水槽の水が入れ替わる回数を示す数値であり、1日に使用する水の量を、貯水槽の有効容量で除して求める。
回転数は、飲料水の衛生管理に当たって重要な指標である。一般に、受水槽については2(回転)程度、高置水槽については10(回転)程度になるよう計画されるが、生徒数の減少等により、水使用量が減少すると、回転数が低下し、残留塩素が消失したり、水質が悪化するおそれがある。
【床置型貯水槽】
飲料水の貯水槽については、建設省告示(昭和50 年告示第1597 号)において、「外部から給水タンク又は貯水タンクの天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること」(6 面点検)とされており、すなわち、床置型貯水槽を設置することとされている。
昭和50 年以前に設置された貯水槽には、地下式等のものがあるが、このような貯水槽は、周囲や底面を外側から点検することができないため、汚染の原因となる亀裂等が発生しても発見が困難であることから、可能な限り早急に床置型等に改善する必要がある。
【水源】
水道法では、「水源」と「原水」を使い分けている。
「水源」とは、水道として利用する水の供給源「原水」とは、水道水の原材料になる水このことから、水道法と用語の統一を図り、検査項目では、(3)において「専用水道(水道水を水源とする場合を除く。)及び専用水道に該当しない井戸水等を水源とする飲料水の原水の水質」と表記した。
..雑用水の区分
雑用水の区分については、法的に明確な定義が示されていないが、学校において使用される雑用水については、以下のようにまとめられる。
表Ⅱ-2-1 雑用水の区分
水源 用途
散水
修景用水(噴水、滝など)
栽培用水
清掃用水
雨水
飲用以外の井戸水
工業用水
雑用水
再処理水(下水等の排水を浄化した水)
水洗便所の洗浄水
※ 建築物衛生法施行規則では、散水、修景又は清掃の用に供する水にあっては、し尿を含む水を原水として用いないことが定められている。
○ 我が国は、輸入に依存した資源・エネルギー供給構造を改善し、地球環境負荷を低減化する
ことを目指して、自然エネルギーや資源の有効活用を推進している。こうした取組の一環として、学校において雑用水が利用されている。
○ 雨水利用は、建築物の屋上等に降った雨水を貯留し、水洗便所の洗浄水、樹木の散水等に活用するものである。また、下水等の排水を浄化して再利用することも行われている。
こうした飲用には適さないが、洗浄等の用途に使用できる水を中水と呼ぶことがある。また、中水を供給する施設が中水道である。
○ 特に都市部では、雨水や再利用水の利用が進んでいる。例として、東京都は「水の有効利用
促進要綱」を策定し、大規模な建築物の建設等を計画している事業者に、水の有効利用を呼びかけている。
○ ビオトープ等の生物の飼育に使用している水は、雑用水の水質検査の対象とされていない。