文部科学省衛生管理マニュアル第2章9 | 化学物質過敏症 runのブログ

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① 検査回数
毎学年1 回教室等内の温度が高い時期に定期に行う。
② 検査場所
検査は、普通教室、音楽室、図工室、コンピュータ室、体育館等必要と認める教室等において行う。また、それぞれの教室等の種別に応じ、日照が多い教室等、発生源の予想される教室等や刺激臭や不快な臭いがする場所等を測定の対象とし、化学物質の濃度が相対的に高いと見込まれる場所において、少なくとも1 か所以上を選定する。具体的には、全体の平均的な値が得られる中央付近が適当と考えられる。
体育館等では部屋の中央付近、高さ120~150cm の位置で行う。体育館等の使用時は、使用状況にあわせて少なくとも壁から1m 以上離れた場所、2 か所以上で採取する。
③ 検査方法
<検査時の事前措置>
教室の濃度を外気濃度と同じ程度にするため、教室等の窓、戸、戸棚等を開けて30 分以上換気する。その後、開放したところを閉め、そのまま5 時間以上放置する。
<検体の採取法>
空気の採取は、授業を行う時間帯に机上の高さで行う。
採取は、原則として、児童生徒等がいない教室等において窓等を閉めた状態で行う。
通常の授業が行われている環境条件の教室等で採取を行う場合は、基準の備考に示す「次回からの検査を省略することができる」の適用から外れることとなる。
採取方法には、以下の方法がある。
○空気吸着管に吸着させる方法
●吸引方式(アクティブ法)
精密ポンプを用いて、ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)捕集管に試料の空気を
一定量採取する方法 (図Ⅱ-1-2)。なお、捕集管は、対象とする揮発性有機化合物の種類により異なる。
検体の採取時間は30 分間。(検体は午前と午後にそれぞれ1 回以上採取する。)
図Ⅱ-1-2 吸引方式(アクティブ法)の例
●拡散方式(パッシブ法)
細いチューブに捕集剤を充填
てんし、試料空気の拡散を利用してポンプなしで受動的に採取する方法。

なお、捕集剤は、対象とする揮発性有機化合物により異なる。
検体の採取時間は始業から終業を目安に8 時間以上で1 回。
○空気を直接容器に採取する方法
ホルムアルデヒド以外の揮発性有機化合物の場合、ステンレス製キャニスターに採取する方法もある。キャニスターは、内面を不活化処理(電解研磨、シリコン処理等)し、真空としたステンレス製の容器である。この容器に採取する場合は、採取する空気の量を一定に保つ必要がある。
ア ホルムアルデヒド
① 検査回数
毎学年1 回定期に行うが、どの時期が適切かは地域の特性を考慮した上、学校で計画立案
し、実施する。
ただし、児童生徒等がいない教室等において、30 分以上換気の後5 時間以上密閉してから採取し、ホルムアルデヒドにあっては、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)により測定した
場合に限り、その結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる。
なお、著しく基準値を下回る場合とは、基準値の1/2 以下とする。
② 検査場所
上記参照
③ 検査方法
<分析測定>
ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)誘導体化固相吸着/溶媒抽出法によって採取し、高速液体クロマトグラフ法によって分析する。これは吸引方式(アクティブ法)、拡散方式(パッシブ法)とも同じである。

吸引方式を用いる際には、午前と午後にそれぞれ1 回以上の測定を行い、最も高い値を測定値とすること。
なお、厚生労働省によれば、建築物衛生法の特定建築物に該当する学校において、「学校環境衛生基準」に基づき、ホルムアルデヒドの検査を行った場合には、この結果をもって建築 物衛生法に基づく検査結果として差し支えないとしている。