文部科学省衛生管理マニュアル第2章2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

教室等の温度は、人間の生理的な負担を考えると、夏は30℃以下、冬は10℃以上であることが望ましい。
室温と手指及び足の冷えの状態をみると、図Ⅱ―1-1に示したとおりである。この図から分かるように、手指の冷えを訴えるものは、10℃では半数を超えるが、14℃前後では約30%と少なくなり、16℃以上では20%以下に減少する。このことから、季節や地域によって違いはあるものの、室温が体に大きな影響を及ぼすことが分かる。

なお、教室等での室温測定は中央部のみでなく、教室等の数か所での水平温度分布(平面分布)や、垂直温度分布(温度配)測定を行い、評価することが望ましい。
児童生徒等に生理的、心理的に負担をかけない最も学習に望ましい条件は、冬期で18~20℃、夏期で25~28℃程度である。
相対湿度とは、その空気の含むことのできる最大限の水蒸気(飽和水蒸気)の量と比較した空気の水蒸気の百分率(%)で表わす。日本の気候の特徴が夏は高湿、冬は低湿であることを踏まえ、教室内の相対湿度は30~80%であることが望ましいとされている。人体の快適性の観点から、最も望ましい条件は、50~60%程度である。
図Ⅱ-1-1 室温と手指と足の冷えを訴えた人員

(%)(軽作業の場合) 三浦豊彦
..................
浮遊粉じんは、人体の呼吸器へ直接影響を及ぼすとされる空気中に常に浮遊している微細な物質のうち粒径10μm 以下の粒子を検査対象とする。浮遊粉じんの基準値は、0.10mg/m3 以下である。
............
人体の快適性の観点から、室内には適度な空気の動きが必要であるが、強い気流は不快感を伴うものである。
窓等の開放による自然換気の場合でも適度な気流が必要であるが、冷暖房機等使用時には、室内は0.5m/秒以下であることが望ましい。

特に、教室の居住域(床から人の呼吸域の高さの範囲)では0.2~0.3m/秒前後が最も望ましい。
..................
一酸化炭素は不完全燃焼に伴って発生し、その濃度が高い場合には直接人の健康に影響する。
この基準値については、学校が児童生徒等の生活の場、学習の場であることを考えて、10ppm 以下であることとされている。
..................
二酸化窒素は、灯油等の化石燃料の燃焼に伴って発生する。室内では、燃焼ガスが室内に放出される石油ストーブや石油ファンヒーター等の燃焼器具が発生要因となり得る。空気汚染物質としての二酸化窒素は、高濃度で呼吸器に影響を及ぼすものであり、大気環境では光化学オキシダントの原因物質として知られている。
大気の環境基準では1 時間値の1 日平均値が0.04~0.06ppm までのゾーン内又はそれ以下とされているので、教室内でも0.06ppm 以下であることが望ましい。
........................
揮発性有機化合物は、比較的分子量の小さい有機化合物の総称でVOCs(Volatile OrganicCompounds)といわれている。そのうちVOC は沸点50~260℃の範囲であり、米国環境保護庁(EPA)では蒸気圧0.1~380mmHg のものとしている。室内の建材や教材、塗料や備品等に含まれ各種揮発性有機化合物は、児童生徒等が学校で不快な刺激や臭気を感じ、状況によってシックハウス症候群の発生要因になるとされている。
厚生労働省では、次の物質について室内空気濃度指針値を設定している