頭 痛
疲労感
めまい
喉の刺激目・鼻の痛み
脱力感など
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施設面における主な留意点について
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1)建物整備時の留意点
(1)設計時の留意点
施設面におけるポイントは、
◆発生源となる可能性のある建材や家具などを
室内に極力持ち込まない
◆室内に放散した有害な化学物質を換気などにより低減させる
ことです。
以下、このポイントにそって建物整備時や日常生活時における主な留意点を示します。
建材の選定に当たっては、日本工業規格(JIS)や日本農林規格(JAS)、国土交通大臣認定*、MSDS
(化学物質等安全データシート)などを確認し、室内空気を汚染する化学物質が発生しない、又は、少な
いものを選定することが大切です。
ホルムアルデヒドを発散する建材については、建築基準法の改正(平成15年7月1日施行)により、ホ
ルムアルデヒド放散量の規格に応じて、使用面積の制限があります。
また、トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)については、各業界の規格を参考にするか、
建材メーカーから製品に関するMSDSなどのデータを取り寄せるなどにより、製品を選定することが必
要です。
※国土交通省ホームページの「建築基準法第68条の26第1項の規定に基づく認定」の「構造方法等の認定に係る台帳」
中の「ホルムアルデヒド発散建材」を参照してください。
(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/authorization.html
)
MSDS:Material Safety Data Sheetの略
MSDS制度:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び監理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」に
基づき、対象化学物質(を含有する製品)を事業者間で取引する際、その性状及び取り扱いに関す
る情報(MSDS)の提供を義務付ける制度で、平成13年1月より実施されています。
建材の選定にあたっては、建築材料の化学物質放散量などの規格を十分理解し、室
内空気を汚染する化学物質の放散がない、又は、少ないものを選定しましょう。
5 1 ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒドは刺激性のある気体で木質建材などに使われています。3つの全ての対策が必
要になります。
2 クロルピリホス対策
クロルピリホスは有機リン系のしろあり駆除剤です。
居室を有する建築物には使用が禁止されています。
規制対象となる建材は次の通りで、これらには、原則としてJIS、JAS又は国土交通大臣によ
る等級付けが必要となります。
内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材には、次のような制限が行われます。
対策Ⅰ 内装仕上げの制限
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則と
して全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられています。例えば住宅の場合、換気回
数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
対策Ⅱ 換気設備設置の義務付け
天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次の
①~③のいずれかの措置が必要となります。
対策Ⅲ 天井裏などの制限
建築材料の区分ホルムアルデヒドの発散
JIS、JASなど
の表示記号
内装仕上げの制限
建築基準法の規制対象外F☆☆☆☆ 制限なしに使える
使用面積が制限される
使用禁止
F☆☆☆
F☆☆
旧E2、Fc2
又は表示なし
少ない
多い
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
放散速度
以下
①建材による措置
5μg/m3h
120μg/m3h超
5μg/m3h
~20μg/m3h
20μg/m3h
~120μg/m3h
木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、
接着剤、塗料、仕上塗料など
天井裏などに第1種、第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用
しない
(F☆☆☆以上とする)
②気密層、通気止めによる措置気密層又は通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する
③換気設備による措置換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする
国土交通省ホームページ「建築基準法に基づくシックハウス対策について」より
Ⅰ 改正建築基準法(平成15年7月1日施行)に基づくシックハウス対策
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Ⅱ 揮発性有機化合物(VOC)の放散量の規格
トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)の材料ごとの放散量については、建材のJIS規
格でホルムアルデヒドと同様に、放散量の規格化の流れではありますが、現時点では、規格化されていま
せん。
材料ごとにMSDSをメーカー等から入手し、揮発性有機化合物(VOC)の放散量がないもの、または
少ないものを選ぶ必要があります。
なお、MSDSにおいてトルエンやキシレンなどの表記がない場合でも石油の精製過程で生まれる石
油化学製品の原料である「ナフサ、灯油」などについては、工業用など純度の低い場合に、トルエンやキ
シレンなどが放散する可能性があることに留意する必要があります。また、1%以下の化学物質は
MSDSに記載義務はありませんが、室内での使用量が多い場合、総量として無視できない場合がありま
す。