・. 検査
1) 副交感神経、交感神経の機能亢進または低下を示す瞳孔反応の異常
2) 視覚空間周波数特性の明らかな閾値低下
3) 眼球運動の異常、特に垂直面の滑動性追従運動障害(前庭神経障害を含む)
4) 神経内分泌系の異常
たとえばbuspirone投与後の prolactin値異常、
pyridostigmine投与あるいはdexamethasone投与後の成長ホルモン値の異常変動
5) 誘発試験の陽性反応(必要とされた時は)
原因とされる化学物質の微量負荷試験(challenge test)、
または治療によるtherapeutic trialを施行する。
これらの検査は心因性疾患の除外に必要である。
・. 診断
他の慢性疾患がすべて除外されていることが、診断に際しての前提で、
1)主症状2項目 + 副症状4項目が陽性であること。
2)主症状1項目 + 副症状6項目 + 検査所見2項目が陽性であること。
(石川 哲、宮田 幹夫:アレルギー・免疫、6巻7号、990-997、1999より)
化学物質過敏症は、疾患の存在と診断基準を理解した医師がおり、特殊な検査ができる設備を有する研究機関は別として、一般的な病院での確定診断は、困難なようです。
特に小児では上記の診断基準が当てはまる例はわずかで、見過ごされてしまう恐れがあります。
そこで、現段階では「ある物質と何度か接触して同じような症状が起ることを確認する」ことが、最も実践的な手段と考えられます。
もちろん症状は微妙に変化したり、体調等にも左右され、発症する濃度もヒトによりまた時期により変化します。
診断に大事なことは、明らかに同じような症状を起こす他の病気ではないという点を明らかにすることが重要です。
たとえば鼻水や咳が長く続く場合、医師はまずアレルギーを疑うでしょうが、生活環境がどうなっているかを理解してもらう必要があります。
症状が長く続き通常の治療によっても軽くならないときは、そうなった環境、状況をじっくり語るべきです。
受診に際しては、出来るだけ短期間の診察と検査で確定診断(最終診断)を得られるように、今までの病気、住居と周囲の状況、食事習慣、仕事の内容、過敏に反応するものは何か、いつからどのような症状が起こったか、などの項目を説明できるようにまとめておきましょう。
runより:私も半年以上咳が止まらないのに風邪と言われ続け喘息から
化学物質過敏症に発展しました。今では少ないでしょうが・・・