大正製薬発表より
PAM(パム)の効能
有機リン剤を誤飲、服毒時の中毒症状はコリンエステラーゼ (ChE)阻害によるもので、本剤は有機リ
ン剤中毒の解毒剤として有用性が確認されている。
[有機リン剤による中毒症状(ChE阻害作用)]
軽症: けん怠感、違和感、頭痛、めまい、胸部圧迫感、不安感および軽度の運動失調などの非
特異的症状、嘔気、嘔吐、唾液分泌過多、多量の発汗、下痢、腹痛、軽い縮瞳
中等症: (軽症の諸症状に加えて)縮瞳、筋線維れん縮、歩行困難、言語障害、視力減退、徐脈
重症: 縮瞳、意識混濁、対光反射消失、全身けいれん、肺水腫、血圧上昇、失禁
代謝
(1) 代謝部位及び代謝経路
代謝部位:肝臓
代謝経路:ヒト及び動物の血中・尿中代謝物の同定、肝灌流実験等の結果から、少なくとも5種の尿中
代謝物が存在する
排泄
(1) 排泄部位、(2)排泄率、(3)排泄速度
ヒトに20mg/kgのPAMを静脈内投与した場合、投与量の72~86%が最初の30分以内に尿中に排泄され
た7)。
〔参考:マウス〕
14C-PAMを静脈内投与した場合、24時間後までの尿中に72%、糞中に5%以下、呼気中に0.2%以下が
排泄された。また、腸-胆汁中に分泌され、腸肝循環を示すことが報告されてい
8.副作用
(1) 副作用の概要
・重大な副作用
該当しない
(2)項目別副作用出現頻度及び臨床検査値異常一覧
国内外において本剤の治療効果が検討された臨床文献26報で136症例が報告され、うち8例(5.9%)に
副作用が認められた。詳細は次のとおりである。
但し、これらの副作用は有機リン剤による中毒症状との判別は必ずしも明確ではないとされている。
副作用の種類 発現件数(%)
嘔気
軽度不快感
胸内苦悶
発熱
悪寒
不整脈
(3)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
該当資料なし
(4)薬物アレルギーに対する注意及び試験法
該当資料なし
9.高齢者への投与
該当しない
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アトロピン 混注により薬効発現が遅延することが
あるので、併用する必要がある場合は
混注しないこと。
機序は不明である。
調査症例136症例中8例 (5.9%)に副作用が認められた。(再評価資料)
主な副作用は嘔気4例(2.9%)、胸内苦悶1例(0.7%)、軽度不快感1例(0.7%)等であった。
以下の副作用には頻度が算出できない副作用報告等を含む。次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満 頻度不明
消化器 嘔気 口内苦味感循環器 胸内苦悶、不整脈
その他 軽度不快感 下顎疲労感、ヨード過剰症状(鼻咽頭灼熱感、耳下腺痛)