2010年現在多用されている操作的診断では原因を問わないため、うつ病は脳と心の両面から起こるとされている「脳の病気」という面では、セロトニン やアドレナリン の不足が想定されており、脳内に不足している脳内物質(ドーパミン 、ノルアドレナリン 、セロトニン など)の分泌を促進させる薬物治療 を行う。これが心療内科 や精神科 におけるうつ病治療の主流になっている。
日本うつ病学会 では、厚生労働省 からの依頼により、抗うつ薬 の副作用 をはじめとする薬物療法に関する諸問題を専門家の立場から検討し、適正な抗うつ薬使用法を提言するため、学会内に「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」を2009年 に設立している
うつ状態には、次のような性質のものがある(うつ状態を呈するからといって、うつ病であるとは限らない)。
- 一過性の心理的なストレス に起因するもの(心因性のうつ、適応障害 、急性ストレス障害 、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) など)
- 自律神経失調症 ・パニック障害 など、他の疾患の症状としてのもの
- 季節や生体リズム など、身体の内部の変調によって生じるもの(内因性うつ病)
こうした様々なうつ状態のうち、臨床場面でうつ病として扱われるのはDSM の診断基準に従って、「死別反応以外のもので、2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している。」というある程度の重症度を呈するものである。
器質的疾患からうつ病・うつ状態となることもあるので、診察時には注意を要する。