シックハウス実話体験記より
ホルムアルデヒド
読み方:ほるむあるでひど
数あるVOCの中でもシックハウスでの優先的取組みの対象になっています。化学式:HCHO、沸点-21度の無色でツンとくる刺激臭のある気体です。これを40%程度水に溶かし込んだものがホルマリンと呼ばれる水溶液で、フェノール樹脂・メラミン樹脂・ユリア樹脂などの樹脂、接着剤、塗料やホルマリン漬標本などに代表される防腐・殺菌剤などに安価なこともあり、広く使われています。
ホルムアルデヒドはゼラチンやにかわなどのタンパク質を凝固させるので生物標本を作るときに使用されています。またいろいろな化学物質と反応して有用な製品を作り出す原料として広く使われています。
尿素とホルムアルデヒドを原料とする接着剤は木材の接着に適しているので、合板やパーティクルボードに広く使われています。
尿素ホルムアルデヒド接着剤は接着剤が乾燥する過程でホルムアルデヒドなどの化学物質を大量に放出するので注意が必要です。
また十分に乾燥した後も加水分解すると再びホルムアルデヒドが生成します。
なので尿素ホルムアルデヒド接着剤を使用した木材合板やパーティクルボードは長期にわたって室内を汚染するといった話になっています。
ホルムアルデヒドはガス状で眼やのど粘膜を刺激し、皮膚にも刺激感を与える。水溶液ではホルマリンといわれ、たんぱく質の構造成分を変質させる作用をもつので、殺菌剤、消毒剤、防腐剤として使われ、強い殺傷能力をもつ。また化学物質の中でも特に強い抗原(アレルゲン)性をもつため、アレルギー症状を引き起こします。
精神作用もあり、汚染された空間に居るとイライラして考えがまとまらなくなったり、食欲がなくなり不眠症になることもあります。
さらにホルムアルデヒドには発ガン性がある。1980年にアメリカで発ガン性が確認され、動物実験では長期間マウスにホルムアルデヒドをすわせると、鼻の穴の中に皮膚がんができた。衣料工場等でホルマリンを吸う人にガンや脳腫瘍が多いいそうです。
濃度 症状
0.08ppm WHO(世界保健機関)ガイドライン。厚生省室内濃度指針。
0.1ppm ドイツ、スウェーデン、オランダの室内基準。
0.2ppm 臭気を感じるが、すぐなれて感じなくなる。
0.5ppm 許容濃度勧告値(日本産業衛生学会)。明らかに臭気を感じる。
1.0 ~ 2.0ppm 目や鼻への刺激が起きる。
5.0 ~ 10.0ppm 強い刺激を感じる。
10.0 ~ 20.0ppm 涙、せきが出て、呼吸が困難になる。
最近の資料では0.01ppmで眼の刺激がはじまり、0.04ppmだと抵抗力のない子供はぜんそくになる例もあります。
こうしてみると規制値の0.08ppmはかなり、ゆるいものと思います