その手があったか | 大門 昌代

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私は、真っ暗な部屋に閉じ込められているような状態から脱出する為に、強くなるしか方法がないと思っていました。

どうしてそう思ったかと言うと、それまでの人生を私は、強くなる事で成功してきたからなんです。

だから強くなる方法しか私は思いつきませんでした。

でも、秘策があったのです!

当時の私は、あくまでもイメージですが、真っ暗な部屋に閉じ込められて、どっちを向いても光すら感じられない状態。

壁に体当たりしたり、床を掘り進もうと色々やってみたが、自分に力がない事を思い知り、他に脱出方法が見つからなくて、絶望感いっぱいで体育座りしている。

そんな状態です。

秘策とは・・・

自分一人では、もうどうする事も出来ないと認める事。

そして・・・

たーーーーすーーーーけーーーーてーーーー!!

と大声で、助けを呼ぶことだったんです。

疲れ果てた身体に鞭打って、トレーニングを積んでも強くなんてなれません。

余計に疲れ果てて、それこそ座っている体力すらなくなって体育座りすら出来なくなるのです。

秘策がわかっても、すぐに実行できたわけではありません。

往生際が悪い私は、自分一人でどうする事も出来ないと、なかなか認める事ができませんでした。

でも、どんどん体力が消耗していくんです。

気力もどんどん無くなっていくのです。

そして、秘策を試してみるしかなくなったのです。

たーーーーすーーーーけーーーーてーーーー!!

大声で叫んだら、体当たりしても壊れなかった壁が崩れ去ったわけではありません。

床下にトンネルが突然現れたのではありません。

ただ、外側からガチャッ!と、ドアを開けてくれる人が現れただけでした。

真っ暗な部屋から脱出する方法は、私の想像した方法ではありませんでした。

壁に体当たりして壁を大破させ、脱出した方が、「私ってば、すごいじゃん!」と思えるので、お好みではあったのですが・・・

念のため申し添えますが、大声で叫ぶと言っても、本当に大声で叫ぶのではありませんよ。

「実は、私はもうどうしていいかわからない。助けが欲しいのです。」と、誰かに打ち明けることなんです。

打ち明けたとき、誰が助けてくれるかわかりません。

助け出される方法を、指定する事もできません。

お好みでない方法で、私のように助け出されるかもしれません。

でも、真っ暗な部屋で倒れこんでしまうより、数段良いではないですか。

壁をブチ破る。

床下を掘り進む。

この二つの方法しか、私は脱出方法が思い浮かばなかったのですが・・・

な~んだその手があったのね~

ちなみに、この秘策は、自立を手放す第一歩でもあります。