買わずにいられない男その2 | 大門 昌代

大門 昌代

カウンセリングサービス

随分と更新しておりませんでしたが、前回の続きを・・・


前回ご紹介した「買わずにいられない男」ですが、どうして彼は、高級品を買う事をやめられなかったのでしょうか?

「お金が無いのだから、買わなきゃいいのに。」

そう私は思っていました。

お金が無いのに、無理して物を買って、そして自分が尚苦しんで何の意味があるのだろう?と思っていたのです。

どうしても、彼の無駄遣いをやめさせたくて、彼からお金やカードを取り上げた事もありました。

でも、無駄でした。

新しいカードを作ったり、人から借りたりして買うのです。

彼が、何故買わずにいられなかったか?

結論から言いますと、彼は自分は価値のない人間だと感じていたからです。

「価値がない人間」ってどんな感じがしますか?

人から粗末に扱われたりすると思いませんか?

ですから彼は、高級品やブランド物を身につける事で、自分に価値を与えようとしていたのです。

当の本人は、そんな事全然気付いていませんでしたが・・・

高級品を身につけた彼は、夜の街に出掛ければとても大切なお客様として扱ってもらえます。

それでもまだ不安な彼は、もっとお店にお金を使う事で、もっと大切に扱われて自分が価値ある人間である事を、確認しようとします。

そんな事をしなくても、彼は十分価値ある人間でした。

彼の周りには、彼の豪快な性格と素晴らしい笑顔に引きつけられた人達が、いつも沢山いました。

でも彼自身は、それを自分の価値だと気付かなかったのです。

彼自身が、何もしなくても人から好かれる自分というのに、価値をみいだしてもっと自分に自信を持つ事が出来ていたら、お金が無い時は、物を買わずにすんだかもしれません。

でも彼は、お金の無い自分は価値が無いと感じていましたから、無理をしてでも買うのをやめられなかったのです。

では、どうして彼の買うものが、ブランド物の財布 → 高級車 → マンションと、どんどん高価になっていったか?

彼が高級品やブランド物を、身につける事で得られた自分の価値とは、本当の自分の価値ではなかったからです。

それは、本人が一番よくわかっているのです。

ですから、価値がない自分への不安は、どんどん膨らんでいきます。

不安が大きくなれば、その不安を打ち消す為に、もっと大きな価値が必要になります。

ですから、買うものがどんどん高価になっていったのです。

もしも、あなたのそばに「買わずにいられない男」がいたら、その人の本当の価値を伝え続けてあげて下さい。

「笑顔が素敵」「包容力がある」「頼りがいがある」

彼のような人は、なかなかそこに自分の価値があるとは認められないので、根気強く伝え続けてあげることが、必要です。

「俺は、マンション欲しかったんやっ!!」

と言う彼の言葉ですが、彼の心を私なりに理解して訳してみると

「俺は、もっと価値ある人間として扱って欲しかったんやっ!!」になります。

な~んだ、そうだったのね~