その12のタイトルは「続おトイレ」でした。
この回に登場しているのは僕の友人で、
"ほりうちくん" と言います。

久々の再会だというのに、
いったい何なんでしょう、このサプライズ。
「よろこんでもらいたくて」
という辺り、何かを間違っている気がします。
さて、今日はこのほりうちくんについて、
語りたいと思います。
彼は僕が北海道に住んでいた頃からの友人で、
本屋でのアルバイトを通じて仲良くなりました。
彼は僕がそれまで出会った中で一番、
いいやつだなぁ
と感じた男でした。
どちらかと言えば僕は文化系で、
彼は体育会系なんです。
一見すると接点がなかったのですが、
彼がドラムをやっているということで、
音楽から親しくなりました。
その頃の僕はロックに目覚めていたので、
ヒットチャートに並ばないような、
みんなが知らない音楽ばかりを聴いていました。
今でこそ有名ですが、当時ほぼ無名だった、
「BLANKEY JET CITY」なんかが大好きでした。
当然、周りにいるほとんどの人と話が噛み合いません。
一人だと寂しいものですから
「ロックを聴け!」
と言わんばかりに、ことあるごとに友人へ、
CDを貸しまくっていたのを覚えています。
「絶対いいから!」
と、まるで保険屋のおばちゃんのようです。
そんな中で、
「ブランキーかっこいいね!」
と反応してくれた1人が、ほりうちくんでした。
自分が大好きなものを「いいね」と、
言ってもらえるものですから、
僕はもう、嬉しくて嬉しくてたまらないわけです。
道路標識を蹴っ飛ばすほどです。
「じゃあ次はこのアルバムね、その次はこれ!」
と次々に貸しては、その度に彼が
「2曲目と7曲目が最高だよ!」
などと反応をくれたのでした。
それだけだと、
「音楽の趣味が合った」ということになるんですが、
彼はそれだけじゃなかったんです。
僕は昔からゲームも好きでしたから、
音楽と同じように、
「これが面白いんだよ!」
とよく友人を誘いました。
ほりうちくんは体育会系ですから、
ゲームなんかほとんどしないわけです。
なのでちょっぴり下手くそで、
負けることが多いのですが、それでも彼は、
「次は勝つ!次は勝つ!」
と楽しんでくれたのです。
他にも僕が、
「ビリヤードで負けたら青汁一気飲み!」と言えば、
「よっしゃこい!」とのってくれ、
「おもしろ写真対決しようぜ!」と言えば、
「受けて立つ!」と言い、
「占いに行ってみようぜ!」と言えば、
「行く行く!」と言い。
ことあるごとに遊びの提案にのっては、
それを楽しんでくれたのでした。
これほど馬の合う友達はいないなぁと思ったものです。
ほりうちくんがあまりにいいやつなので、
以前、彼に子供の頃の話を聞いたことがあるんです。
聞けば彼の周りには、
子供の頃からたくさんの友人がいたようです。
僕が驚いたのは、小学生の頃から、
実家には毎日数十人の同級生が常にいたと言うんです。
彼は決して目立つ方ではないし、
リーダータイプでもありません。
でも、どうやら、
たくさんの人に好かれる
という魅力があるようです。
そしてその魅力というのを
言葉にするなら、
人が価値を感じるものに興味をもって共感し、
最高の反応が返せる。
ということなのかもしれません。
他人に無理に合わせるとしんどいだけですが、
もしも、たくさんのものの価値を見たり、
感じたりすることができたなら…
それだけで周りに人が集まり、
人があなたを放っておかないのです。
歳を重ねると新しい分野に興味が薄くなりがちですが、
より多くのことを楽しめる自分で在りたいものです。

来週もお楽しみに!














