誰に読んでもらうわけでもなく、ただ自分の足跡のためだけの雑記駄文

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機動戦士ガンダムΖΖ

 

あまり人気がなく、人によっては観なくていいよとまで言われるこのシリーズ

Ζのシリアス極まりない展開から一転、底抜けに明るい貧乏少年たちがスラム街から抜け出して成長する青春ストーリーになってしまったんだから気持ちはわからんでもないが、監督は引き続き富野由悠季御大であるし、逆襲のシャアに繋げるためにも避けて通るわけにはいかなかったように思うので、偏見と主観をもってこの作品について考察してみる

 

登場人物

ジュドー=アーシタ 本作の主人公、CV矢尾一樹、スラムで育ったため強かで直情的、不良少年らしく思ったことはすぐ口に出し行動するタイプ、前々作のメカオタクや前作の根暗サイコに比べると格段に女の子の扱いがうまくモテる、おかげで旦那候補を失ったオカッパの怖ーいお姉さんに目をつけられることに・・・

 

リィナ=アーシタ 主人公の妹だが、兄と悪友が好き勝手やるため抑え役に回ることが多く、10歳でお母さん属性*というややこしいことになってしまう、御大はあまり好みでなかったのだろうか、敵に攫われてジュドーを戦わせるための餌として使われ、挙句に【禁則事項です】枠入れ替えのため、寝ていた小屋にMSが墜落して爆発炎上、死んだことにされてしまうが、最終話で帰ってきた。

*御大はのちに「ママは小学4年生」という誤解しか招かないような、アニメでもギリアウトやんというタイトルの原作を手掛けた

 

エルピー=プル リィナに代わって投入された完全生命体、本気出すと目が光る、ネオジオン軍の幼いニュータイプ兵士だったはずがジュドーにあっさり鞍替えして味方に。性格は天真爛漫で人懐っこく、すぐ風呂に入るというパーフェクトソルジャーっぷり、戦わせても目力だけでMSを浮かせたりと色々無茶がすぎ、途中で賢者モードへ突入した御大により「悲しいけどこれ、戦争なのよね」といわんばかりに抹殺されてしまった、その後は守護霊となり主にジュドーやプルツーのところへ化けて出た。ちなみに名前は当時売られていた【禁則事項です】系雑誌、レモンピープルから取っている、お察し

 

プルツー 名前になんの捻りもないプルのクローン、目つきが悪い。ニュータイプから作られたとはいえオリジナルには及ばないらしく、強化人間にされたせいで情緒はやや不安定だが好戦的で戦闘力も高い、最終話でみんなが助けようとしたのにリィナ復帰のために人知れず消されてしまった、初登場はファンサービスのため全裸だった

 

ハマーン=カーン 前作でひとり勝ち組となった怖いおばs・・・まだ22歳です、気に入った男は戦ってモノにするというヤンデレの走りみたいなことをしたせいで、長年追いかけていたマザコン男に袖にされてしまい、あろうことか14歳のジュドーに目を付けるという業の深さ。生粋のスペースノイドで地球の支配には固執しなかったのか、とりあえず統治してみてイマイチだったからコロニー堕としちゃえという暴挙に出る。前半おもに配下のズッコケ3人組と、ぼくらの七日間戦争みたいに戦ってる悪ガキどものせいで緩んだ空気をビシッと粛清した。途中グレミーに裏切られるがほとんど眼中になかった模様、さすが女傑。最後は自分の役目はもう終わったと覚悟を決めジュドーとの一騎討ちの末に、未来への希望をジュドーたちに託して美しく散る

 

マシュマー・セロ ズッコケ3人組その1、序盤のライバルキャラであるが前作での重苦しい空気を振り払うため、タイムボカンの悪玉と同じ扱いで負けるかわいそうな男、見た目はガンダムキャラでも1、2を争うくらい美男子で、口癖は「ハマーン様」、常にハマーンから下賜されたバラを着け騎士道精神に則り戦う、とはいえ軍事色が強くなる後半は色物キャラが必要ないため、失敗の代償として強化人間にされてしまう。性格はあまり変わらなかったが作戦には余計な私情を挟まぬようになり、コロニー堕としも成功させている。最終局面では単騎でプルツーを圧倒するもラカン隊に囲まれ、機体の自由を奪われた状態でビームを弾き返すなどまさかのハイパー化を発動するが、そのまま大爆発して死亡

 

キャラ=スーン ズッコケ3人組その2、おっぱい担当のパンクなお姉さん。失態続きのマシュマーの監視役としてハマーンより派遣されたはずがMSに乗ると興奮して服を脱ぎだすなど、ニコ動なら「しまったこいつもバカだった」とタグが付くレベルだった。結局その性癖がもとで一時ジュドーたちに捕まり、洗濯など家事をさせられてるうちに母性に目覚めるという実に御大らしいエピソードがあったが、脱走して軍に復帰すると強化人間にされてしまった。最終局面で10機ほどの量産型キュベレイとプルナンバーズを相手にハイパー化、やはりビームを弾き返したが機体は限界を超えてしまいこちらも大爆発して死亡

 

グレミー=トト ズッコケ3人組その3、序盤は下士官だったが捕虜のルーにあっさり騙されて逃げられたりといいところがない。なぜか出世して中盤はマシュマーやキャラに代わりジュドーたちの正面を担当するが、司令官の立場でもルーに気を取られ、せっかく貰った指揮官用のかっこいいMSをろくに戦闘もせず失うがその後何食わぬ顔で戦線に復帰、覚醒させたプルツーを全裸で会話させるなど完全にアウトな【禁則事項です】ぶりを如何なく発揮した、一時期捕虜になったリィナを預かっていたのも彼である。民間人のそれも10歳の少女に「一人前のレディにするため」などという名目でバイオリンやテーブルマナーを叩き込んでいたが、そもそも捕虜を将来に渡って一緒に暮らせるよう教育するという発想がまずおかしい、やはり重度の【禁則事項です】であることは間違いない。終盤に大人の都合でザビ家の血筋ということにされ、ハマーンに対しクーデターを起こすが宣戦して2日くらいでほぼ全滅しているので何がしたかったんだお前という感じである。最後は口喧嘩をジュドーに仕掛けるが論破され、たじろいだところにルーが容赦なくビームを撃ち込み始末された

 

ゴットン=ゴー マシュマーの副官として登場し、マシュマー更迭後はキャラの副官に収まった典型的な腰巾着タイプ。とはいえアホな上官を支える常識的な副官としては有能であるし、上官とのボケとツッコミのやりとりもなかなか秀逸である。だが彼がガチで作戦を練った結果、泣き虫セシリアという屈指の鬱回が出来てしまった罪は重い、民間人のセシリアを脅し、爆弾を使った破壊工作に利用するはずだったがセシリアともども爆死。小説版ではキャラ様と駆け落ちして消息不明になるらしいからそんな感じで消えてほしかった

余談だがいまだにこの回はまともに観れない、後味が悪すぎてイデオンやVガンがマシに思える、匹敵するのはやはり御大の作品でザンボット3の人間爆弾の回だろう、ゴットンというさして重要でないキャラを退場させるためにここまで重い話が必要なのだろうか

 

ラカン=ダカラン 名前は適当だが強キャラ設定の職業軍人、おちゃらけすぎた前半を挽回すべく、民間人も平気で殺戮し、ネオジオンに対するヘイトを集める。脳筋ゴリラなせいで艦隊指揮などは執らせてもらえず不満が溜まっていたのか、グレミーが反乱を起こした際は地球の支配権を条件に寝返るが、ハマーンでさえ見捨てた地球を自分ならうまく統治できるとでも思ったのだろうか?声はカミソリ後藤でも所詮ゴリラである。マシュマーがハイパー化して爆発した際に発した「何の光!?」という台詞が有名。最後は年下相手なら勝てるという哀川翔みたいな理屈でジュドーにつっかかり、機体を十文字にぶった切られ敗北、コクピットごと切られたように見えたが断面から五体満足で顔を覗かせ喋るというセロもびっくりの演出をした後に戦死

 

総評

なにかと前半がふざけすぎたせいで馬鹿にされやすい作品ではあるが、前作で重くなった空気を払拭するため、ある程度は仕方なかったのだろう、とはいえ急な路線変更に付いてこれなかったファンは大勢いて、自分も当時10話くらいまではきちんと観ていなかった

しかしジュドーがそれまでの主人公と違って前向きでわかりやすい性格で、人間味があり好感がもてるキャラクターになっているのでガンダムはこうあるべきとか変な決めつけをせずに観れば楽しめると思う、御大も作品の幅はもっと広くあるべきと言ってる

MSも主人公機をはじめキワモノが多いのは事実だがΖの全体的にシャープなデザインから(デザイナー交代のためではあるが)、どっしりとした重MSが多くなっていて立体化した際のボリュームもあり好きだった。なぜかゲルググ推しなのと、玩具業界の事情か旧MSのリファインが多いものの、クインマンサやゲーマルクといった人気のあるラストメカも存在する

流れとしては(世界線の違う新約Ζは別として)精神崩壊していたカミーユが元気になったり、セイラさんの口からシャアが再登場の機会を窺っている節があることが語られていたり、ブレックス亡き後のエゥーゴ主導による地球連邦が結局は腐っていて、ハマーンですらそれを粛清できず独裁に失敗して敗れ去るといった、年表から外すことのできない歴史はしっかりと描かれて次に繋がっていく

 

後に作られた逆襲のシャアがヒットしたのは、この作品までに繋いできたものを一気に昇華させてくれたからだと思う