モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」をの演奏で。

 

私がこの曲を初めて聴いたのがこの録音でした。たぶん高校生の時だったと思います。それまでにモーツァルトの交響曲は、第36番と第38番をワルター/コロムビア交響楽団、第39番、第40番、第41番をベーム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏によるレコードを持っていました。ちょうど同じ頃音楽雑誌の広告などでカラヤン/ベルリンフィルのモーツァルト後期交響曲集の事がよく目に付いていて、なるほどモーツアルトの交響曲で傑作と呼ばれているのは第35番からの6曲なんだ、と思い込んだのかも知れません。第35番のレコードが欲しい、と思ったようなのです。

 

そんな頃久し振りによった街のレコード店のクラシック音楽の棚に、変わったレコードを見つけました。17㎝、つまりシングル盤EPレコードと同じサイズのの小さなレコード。しかしLPレコードで、モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」が一曲だけ収録されたレコードでした。そして演奏者は…、クラシック音楽を聴き始めた一番最初に触れたジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。価格がいくらだったかは全く覚えていませんが、たぶん普通の(30㎝の)LPレコードの半額くらいだったのだと思います。もちろんすぐ手に取りレジに向かったのでした。

 

それからもう50年以上経ったのですね。久し振りにこの録音に触れ、何だか思わず感慨に浸ってしまいます(笑)

 

私か初めて触れてから約50年。この音源が録音されてからは70年。

 

しかし、そんな数字から考えるような古さなど一切感じられない演奏です。

 

見事なアンサンブル。最近のこういった演奏で良く聴く室内オーケストラによる演奏などよりも軽く精密な演奏では無いかと感じられるほどです。一体何なんだろう、この透明感。厳しく鍛え上げられた演奏だろうと思うのですが、しかし聞き手に伝わってくるのはなんとも言えない愉悦感というか沸き立ってくるような活力とモーツァルトの笑顔。いやあ、これは素敵な演奏だ、と改めて感じさせられてしまいました。

 

やっぱり、モーツァルトは良いなぁ。

 

やっぱり、セルって凄い音楽家だな。

 

 

 

 

 

モーツァルト:交響曲第35番

晩年のセルが到達した境地はモーツァルトのような音楽に最も真髄を現すように思う。夾雑物を一切排した姿。無意味だったり不必要な音は一音もない。幾人の指揮者が彼のように音楽を奏でたいと願い,そしてついに果たせなかったことだろう。永遠の名盤。