ブルッフ 「コル・ニドライ」 ジャクリーヌ・デュ・プレの2つの演奏とオークレールのヴァイオリン版 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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Cello: Jacqueline du Pré

00:00 Kol Nidrei Op.47 for cello and orchestra / 1968 (London) 

Israel Philharmonic Orchestra 

Conductor: Daniel Barenboim

11:54 Kol Nidrei Op.47 for cello and piano / 1962 (London)

Piano: Gerald Moore

 

いつも訪問させてもらっているパブリックドメイン音源の紹介をされているサイト「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」で今日UPされていたのは、ミッシェル・オークレールのヴァイオリンによる「ブルッフ:コル・ニドライ, Op.47(Bruch:Kol Nidrei)」と言う曲でした。

この曲は私は全く知らない曲でした。ミッシェル・オークレールのヴァイオリン演奏はとても好きですので早速聴いてみたのですが、これがとても素晴らしい演奏でした。深い祈りの音楽。曲についても興味がわきました。

 

「『コル・ニドライ』(Kol Nidrei, Adagio für Violoncell mit Orchester und Harfe, nach Hebräischen Melodieen) 作品47は、マックス・ブルッフが作曲したチェロと管弦楽のための協奏的作品。
1880年、ブルッフはリヴァプールで作曲を完成し、1881年にベルリンで初演、同年に出版された。初演では、チェロパートへの技術的な助言も行ったロベルト・ハウスマン(ドイツ語版)が独奏を担当し、作品の献呈もハウスマンに行われた。初演は成功し、以降ヴァイオリン協奏曲第1番やスコットランド幻想曲に並ぶブルッフの代表作としてチェリストに愛奏されてきた。

作曲にあたってブルッフは、ユダヤ教の音楽から二つの旋律を借用している。一つはユダヤ教の祭日であるヨム・キプルで歌われる典礼歌「コル・ニドレ」の旋律、もう一つはジョージ・ゴードン・バイロンの詩に基づきアイザック・ネイサン(Isaac Nathan)が作曲した哀歌「ああ、彼等のために泣け」("Oh weep for those")である。様々な民族音楽に興味を持っていたブルッフがあくまでその一環としてユダヤからのインスピレーションを作品に取り入れたもので、ブルッフ自身はユダヤ音楽を作曲する気はなかった。また素材の扱い方も厳密なものではなく、ロマン派音楽の語法の中に組み込まれている。

ブルッフはプロテスタントであり、ここで使われる旋律を最初に知ったのは、彼の師であるフェルディナント・ヒラーがブルッフをベルリンのカントールであるアブラハム・ヤコブ・リヒテンシュタイン(Abraham Jacob Lichtenstein)に紹介した際であった。リヒテンシュタインは、多くのキリスト教の音楽家との強固な関係があることで知られており、ブルッフのユダヤ音楽に対する関心を支援した。」(Wikipedia コル・ニドライ (ブルッフ) より)

 

「コル・ニドライ」と言うのはもともとユダヤ教の祈りの音楽であること。それをモチーフとして作曲された曲ですがブルッフ自身はユダヤ人でもユダヤ教の信者でも無くプロテスタントだったという事です。そしてこの曲は本来はチェロのための曲だということ。

 

そんな情報を得ると、チェロでの演奏も聴きたくなりYouTUbeで検索してみました。そうすると先ず眼に付いたのが冒頭に掲載したジャクリーヌ・デュ・プレの演奏でした。

 

上記の動画にはジャクリーヌ・デュ・プレの演奏する「コル・ニドライ」の2つの録音が収められています。

一つはバレンボイム指揮イスラエル・フィルとの1968年録音盤。もう一つはジェラルド・ムーアのピアノ伴奏による1962年録音盤、です。

 

イスラエル・フィルとの管弦楽版では、やはりオーケストラの厚い響きによるスケール感や立体感のようなものが強く感じられます。ジャクリーヌ・デュ・プレのチェロの深々とした呼吸、旋律からにじみ出る祈り。後半のハープとの絡みも美しく、とても素晴らしい演奏だと思います。

1962年盤の方はピアノ伴奏に編曲されたものですが、さすが伴奏の名手ジェラルド・ムーアのピアノは細やかにチェロを引き立てていきます。ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏もとても伸びやか。

 

YouTubeにはマイスキーとアルゲリッチの録音やハイフェッツのヴァイオリン版など他にも色々な音源がありました。これからじっくり聴き比べた手みたいと思いました。

 

こちらはミシェル・オークレールの演奏です。

ブルッフ:コル・ニドライ, Op.47(Bruch:Kol Nidrei)
"Kol Nidrei" op 47 by Max Bruch
ミッシェル・オークレール(Vn)
Michèle Auclair, Violin
ヴィルヘルム・ロイブナー指揮 オーストリア交響楽団 1952年1月26日~27日録音
(Con)Wilhelm Loibner Austrian Symphony Orchestra Recorded on 1952

 

 

 

 

ブラームス:チェロ・ソナタ第1番・第2番

1987年に42歳で他界した女性チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの新たに発見された録音盤。「コル・ニドライ」(オーケストラ伴奏版)他、全3曲を収録。

 

 

伝説のチェリスト・ジャクリーヌ・デュ・プレ

音楽とチョロに奏者ががっぷり組んだ名演奏。体当たりといってもよいほど音楽を全身で表現する。薄幸な彼女の人生を考え合わせると身につまされるが、その逸話を知らずに聴いてもきっと胸が締め付けられるだろう。充実したカップリングで聴き応え十分。

 

 

ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番

なによりも自分の直感に頼って即興性を出そうとするオークレールの若い頃のスタイル。泉のようにあふれ出るみずみずしいメロディーは、この曲の美しさを余すところなく描き出しています。1952年オリジナル盤より復刻。