iTunesとYouTubeでヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナー交響曲全集を見つけ、まずは第9番から聴き始めました。
ブロムシュテットのブルックナー、と言うと以前にシュターツカペレ・ドレスデンとの第7番と第4番について記事を書いたことがありました。
その時のイメージからどちらかというと穏やかで美しい演奏、と言うような先入観を持って聴き始めたのですが・・・
聴き始めてまず最初に思ったのは、このヴァントハウスとの第9番はライヴ録音という事もあるのかも知れませんが、極めて動的で激しい表現の音楽ということでした。少し速めのテンポ。けれどゆったりとしたフレージングで長大なクレッシェンドに迫力があります。粘ったり溜めたり見得を切ったりといった大袈裟な表情付けは全くなくどちらかというとさらっとした表現なのですが、伝わってくるものはかなり強烈な音楽、です。そのイメージは第二楽章になるとよりはっきりと感じます。引き締まり、厳しく、そして激しく燃えるようなリズムの饗宴。そして第三楽章。ここでも決して遅くは無い、チェリビダッケはもちろん朝比奈やヨッフムと比べてもかなり早めのテンポなのだと思います。しかし。聞こえてきたのはなんとも深い呼吸。深々としたため息のような音楽が伝える、祈り、詠嘆。これがブルックナーのたどり着いた境地なのか・・・
素晴らしい音楽でした。
決して理想のブルックナーの第9番では無かったと思います。
しかし、
素晴らしい音楽でした。
こちらからブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス 「ブルックナー交響曲全集」全曲聴くことができます。
ブロムシュテット&ゲヴァントハウス管によるブルックナーの交響曲全集がACCENTUS MUSIC より新装丁となって発売します。2005年~2012年にかけて録音された両者のブルックナー交響曲全集は、以前Querstand レーベルより発売されていましたが、ライセンス切れのためしばらく市場に流通しておりませんでしたが、この度2024年のブルックナー・イヤー目前にACCENTUS MUSIC より待望の再発売がなされました。