ジョスカン・デ・プレ ミサ曲全集第5集 ヴォーカル・アンサンブル カペラ 2曲の聖母ミサ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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ヴォーカル・アンサンブル・カペラによるジョスカン・デ・プレ ミサ曲全集の第5巻は「聖母ミサ」と呼ばれる2曲のミサ曲が収められていました。

 

ミサ「デ・ベアータ・ヴィルジネ」 Missa de Beata Virgine
ミサ「アヴェ・マリス・ステラ」 Missa Ave maris stella

 

録音データーによると2012年4月15-20日 北の大地美術館(中札内村、北海道)にて録音された、と言う事です。

 

曲の詳しいことはまだ不勉強であまりよくは分かっていないのですが、聴いた感じではどちらの曲も同じルネサンスの曲の中では異色と感じられるくらい色彩感や表情が多彩な音楽でした。作曲者はポリフォニーのテクニックを自由自在に操り自らの世界を創り上げているようです。

 

「『ミサ・デ・ベアタ・ヴィルジネ』は、キリエ(Kyrie)とグロリア(Gloria)が4声、クレド(Credo)、サンクトゥス(Sanctus)及びアニュス・デイ(Agnus Dei)が5声という構成で、1503年頃のローマ教皇庁ヴァチカン図書館所蔵の写本には、グロリアとクレドのみが収められていること等から、ジョスカンが通作ミサ曲として作曲した作品ではないとの見方もある。

『ミサ・デ・ベアタ・ヴィルジネ』は、1514年に、オッタヴィアーノ・ペトルッチの出版したジョスカンのミサ曲集第三巻に現在知られているような通作ミサ曲として収められたが、作品そのものは1510年頃に成立したものと考えられている。但し、ペトルッチが既存のジョスカン作品の断章をまとめ通作ミサ曲として再構成したのか、はたまたジョスカン自身が既作のグロリアとクレドに、キリエ、サンクトゥス、アニュス・デイを新たに作曲し、通作ミサ曲の形式を整えたのかは謎のままである。
聖母マリアを讃える『ミサ・デ・ベアタ・ヴィルジネ』には、ハインリヒ・イザーク等、他の作曲家による作品も多く存在しており、後代にも、モラーレスやパレストリーナの作品が残されている。」(ジョスカン・デ・プレ『ミサ・デ・ベアタ・ヴィルジネ(祝福されし聖処女のミサ)』 より )

 

「アヴェ・マリス・ステラ (ラテン語原題:Ave Maris Stella)は、聖マリアを讃えるイムヌス(聖歌)である。「めでたし、海の星」の意味。その起源は不明であるが、少なくとも8世紀頃に遡る。
「海の星」とはカトリック教会の伝統では、聖母マリアを指すが、この星は、地中海東岸より見た西の海に輝く星、宵の明星つまり金星であるとする解釈がある。
カトリック聖歌集544番、545番。
(中略)
この聖歌の旋律を元にして作曲することが、中世から現代に至るまで多くの作曲家によって行われてきた。ルネサンス時代にはポリフォニー音楽の定旋律として声楽器楽を問わず広く用いられた。ギヨーム・デュファイ、ジョスカン・デ・プレ、トマス・ルイス・デ・ビクトリア、アントニオ・デ・カベソン等、この聖歌に基づく作品を残した作曲家は枚挙にいとまがない。」(Wikipedia アヴェ・マリス・ステラ より)

 

豊かな色彩感はルネサンス期ヨーロッパの活力をまざまざと感じさせてくれます。作曲者がレオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロと同じ時代の空気を吸っていたことが納得できる音楽でした。

 

 

 

こちらはタリス・スコラーズによる同じ選曲のアルバムです。完成度の高い美しい響きに魅了されます。

 

 

 

 

 

ジョスカン・デ・プレ: ミサ曲全集 第5集

対照的な作りのジョスカンの聖母ミサ2曲を収録。親しみやすいグレゴリオ聖歌の旋律が、多声部の織りなす濃密な響きの中で多様に展開する。各パート歌手2人の緻密なアカペラのアンサンブルが曲の持ち味を最大限に引き出す。ルネサンス音楽愛好家必聴の一枚。

 

 

 

 

Josquin Des Prez - Missa De Beata Virgine & Missa Ave Maris Stella

タリス・スコラーズ ジョスカンのミサ曲全集第5巻

1986年にレコーディングが行われ、1987年に英グラモフォン賞年間最優秀賞に輝いた永遠の名唱「ミサ・パンジェ・リングァ」(CDGIM 009)から始まったタリス・スコラーズのジョスカンの歴史。全集第5巻に収録されたのは、1497年“傑作の年”に作曲された全盛期の傑作「ミサ曲《祝福された聖処女》」、聖母マリアのための賛歌に基づく「ミサ曲《めでたし海の星》」の2作品。「ミサ・パンジェ・リングァ」の誕生から25年。ピーター・フィリップス&タリス・スコラーズのジョスカンの歴史に新たな名唱が加わります!