昨日の記事の中で、「ホグウッドのモーツァルト交響曲全集の中の何曲かを聴いて、ちょっとピンとこない、と言った印象を持っていたものですから、」と書きました。たぶんCDの最初期くらいの頃だったと思います。その頃私は(その数年前から)機会あるごとにモーツァルトの交響曲第38番「プラハ」のディスクを買ったりしていました。そんな中で手にしたのがホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団(Academy of Ancient Music)の演奏した「プラハ」でした。
オリジナル楽器による交響曲全集の中の1枚、と言う事でかなり期待して聴いたと思います。
しかし、私にとってこの曲はワルターのイメージが強すぎたのかも知れません。何度聞き直しても先に書きましたように「ちょっとピンとこない、と言った印象」が拭えなかったのです。ホグウッドのモーツァルト交響曲全集はこの他にもう一枚、それもちょっと聴いただけでその後はまったく忘れていました。
昨日ブリュッヘンのベートーヴェンに思った以上に好感を持てたことで、今日は急にホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団のモーツァルトが聴きたくなりました。
まあ、「プラハ」は取りあえず避けて(笑)
と言う事で最初に聴き始めたのは第25番。この曲は最近とても好きな曲のひとつなのです。
モーツァルトの交響曲の中で2曲しかない短調の作品。所謂「小ト短調」
ホグウッドとエンシェント室内管弦楽団の表現は決して暗さを強調するわけでは無く、きびきびとした演奏。細部のしなやかさが好感を持てます。次々に移り変わっていく音楽の表情にまだ若き日のモーツァルトの顔が目の前に浮かんでくるようです。
とても良い感じですね。もう少し続けて聴いてみたくなりました。次は・・・第29番か。
こちらから、ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団のモーツァルト交響曲 第25番、第29番、第31番~第34番、第38番~第41番を聴くことができます。
「オリジナル楽器」の魅力に取りつかれてしまうこと間違いなしのセットである。聴き慣れた音楽を新鮮な視点で見つめ直させてくれると同時に、刺激的な新しい発見もたくさんあるという、大掛かりで野心的なプロジェクトなのだ。クリストファー・ホグウッドは、オーケストラをモーツァルトの時代はこうだったと考えられる規模と編成に仕立て直している。モーツァルトはイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリア、チェコスロヴァキアを始めとして、ヨーロッパ各国で交響曲を書いている。その結果、モーツァルトの交響曲は、まさしく18世紀ヨーロッパのオーケストラ演奏の青写真となっているのである。その後、これらの交響曲は至るところで演奏されるようになり、こういった地域色豊かな演奏は音楽の世界から影を潜めてしまう。改めてこれらの作品に耳を傾けてみれば、かなりよく地域色が伝わってくるはずだ。発見の喜びもちゃんとあるし、音楽自体がもちろん素晴らしい。廉価で歴史的な録音が手に入るのだ。