土屋健「前恐竜時代 失われた魅惑のペルム紀世界」恐竜登場前の世界の支配者は哺乳類の親戚? | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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先週Kindleで購入した「前恐竜時代 失われた魅惑のペルム紀世界」を読了しました。

これもとても面白く一度読み始めると止められなくなる本でした。

 

ペルム紀と言うのは地質時代の分類で「古生代」の最後で今から約2億9900万年前から約2億5100万年前までになります。恐竜が主役だった「中生代」に入る直前の時期でも有ります。

 

「古生代(こせいだい、仏: Paléozoïque、英: Paleozoic era)は、古生代・中生代・新生代と分かれる地質時代の大きな区分の一つである。約5億4100万 - 約2億5190万年前。先カンブリア時代(隠生代)の後に相当する。地質学的には、古生代以前の地質年代をはっきりと確定することはできない。無脊椎動物の繁栄から、恐竜が繁栄しはじめる中生代の手前までの期間に対応する。」(Wikipedia 古生代 より)


「ペルム紀(ペルムき、Permian period)は、今から約2億9900万年前から約2億5100万年前までを指す地質時代である。(中略)ペルム紀は約2億7300万年前までを前期(Cisuralian)、約2億5900万年前までを中期(Guadalupian)、それ以降を後期(Lopingian)として区分される(こちらも開始と終了の時期はそれぞれ数百万から数十万年程の誤差がある)。」(Wikipedia ペルム紀 より)

 

この本では、このペルム紀に生息していた色々な(主に)陸生の脊椎動物について書かれていますが、中でも最も多く記載されているのがこの時代の主役と言って良い「単弓類」についてです。(「単弓類」というのは少し前まで「哺乳類型爬虫類」と呼ばれていた動物たちです。研究が進み「爬虫類」とは全く違う動物であることが分かり「哺乳類型爬虫類」という分類名は使われなくなったようです。現生の「哺乳類」も「単弓類」の中に分類されます。)ペルム紀にはこの「単弓類」が生態系の頂点に君臨し続けました。

 

それらの動物に関する説明もとても面白かったですし、そこから地球の歴史で何度かあった生物の大量絶滅の中でも最大と言われるペルム紀末の大量絶滅のことなど最後までとても興味深く読み終えることができました。

 

生物の大量絶滅

オルドビス紀末(約4億4400万年前)の大量絶滅
デボン紀後期(約3億7400万年前)の大量絶滅
ペルム紀末(約2億5100万年前)の大量絶滅
三畳紀末(約1億9900万年前)の大量絶滅
白亜紀末(約6600万年前)の大量絶滅

 

ペルム紀末の大量絶滅の後、中生代三畳紀は「真爬虫類」の時代となります。恐竜もこの時代に姿を現しました。しかし、まだ主役ではなく、少しづつ進化を重ねていました。そして、三畳紀末の大量絶滅。それまで生態系のトップを占めていた大型の爬虫類の多くが姿を消した後いよいよ恐竜の時代が始まります。

 

ペルム紀末の大量絶滅で多くの「単弓類」は姿を消しましたが、その中でも生き残った「単弓類」もいました。その中のいずれかがやがて進化して「哺乳類」となるものの祖先だったのでしょう。中生代の間ひっそりと進化を続けていた「哺乳類」は白亜紀末の大量絶滅の後、地球の支配者となります。

 

いつか6度目の大量絶滅は来るのでしょうか?

 

 

前恐竜時代 失われた魅惑のペルム紀世界

それは恐竜誕生前夜に地球を支配した生き物たちの物語。
哺乳類の祖先たちによる、忘れられた地上の楽園を紐解く!
およそ2億8000万年前。地球上のすべての大陸がつながった超大陸パンゲアの時代。
世界を支配していたのは、「単弓類」と呼ばれる生き物たちだった。
その姿は一見、恐竜。でもこの世界にまだ恐竜は誕生していない。
では彼らは一体何者なのか?
恐竜時代が幕開けるその少し前、生態系を築いていた生き物たちの暮らしと、私たち哺乳 類との関係。
そして古生代ペルム紀末に起こった史上最大の大量絶滅事件の謎に迫る。