モーツァルト P協奏曲第19番、第9番 ハスキル シューリヒト/シュトゥットガルト放送交響楽団 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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何となくモーツァルトのピアノ・コンチェルトを聴きたいと思いました。ピアノは・・・、クララ・ハスキルが良いな。そう言えばシューリヒトと共演した演奏、あったんじゃ無かったかな。

 

まず聴き始めたのが、録音:1956年7月4日 ルートヴィヒスブルク城、バロックテアーターと記載されたピアノ協奏曲第19番です。ピアノはクララ・ハスキル。カール・シューリヒト指揮シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏。

 

やはり、クララ・ハスキルのモーツァルトは心に沁みてきます。優しいタッチ、繊細できめ細やかな表情。シューリヒトの軽いリズムの刻みもクララの表現と相性が良いと思います。明るく華やかな音楽の筈なのに時折何故だか涙がこぼれそうになってしまう、とてもデリケートな表情の変化。素敵な音楽です。

 

「ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K. 459 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1784年に作曲したピアノ協奏曲である。『第2戴冠式』(2. Krönungskonzert)の愛称で知られる。
本作は1784年の12月11日にウィーンで作曲され、1784年に一気に書かれた6曲のピアノ協奏曲の最後を飾る作品であり、モーツァルトがピアニストとしての自活を賭けて、自身の演奏会で弾くために作曲されたものである。
『第2戴冠式』という愛称は、1790年の10月15日のレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会で、モーツァルトが第26番『戴冠式』(K. 537)と共に本作を演奏したためにそう呼ばれるようになった。」(Wikipedia ピアノ協奏曲第19番 (モーツァルト) より)
 

 

こちらはジュノームと呼ばれるモーツァルトがまだかなり若い時の作品。第19番と同じくカール・シューリヒト指揮シュトゥットガルト放送交響楽団との共演で、録音:1952年5月23日 シュトゥットガルト=デゲルロッホ、ヴァルトハイムと載されています。

 

クララ・ハスキルと言えば、モーツァルトと反射的に出てくるほど彼女のモーツァルトの評価は高いのですが、実はソナタや協奏曲の全集どころかあまり多くの曲は演奏していないようなのです。ソナタは第2番と第10番しか録音はありませんし、協奏曲はもう少し曲数はありますが録音の残っているものは第9番、第13番、第19番、第20番、第23番、第24番、第27番、・・・です。その中で第9番と第19番は比較的演奏回数が多かったらしく、複数の録音が遺されています。第9番は以前にはカザルスの指揮した演奏を聴いたことがありそれも素晴らしい演奏でしたが、このシューリヒト指揮シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏もとても好感の持てる演奏でした。

 

柔らかなクララのピアノをシューリヒト指揮シュトゥットガルト放送交響楽団が気持ちよく支え、若きモーツァルトの音楽を生き生きと描き出していきます。これもとても気持ちの良い音楽でした。

 

「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K. 271 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1777年に作曲したピアノ協奏曲。一般に『ジュナミ』(Jenamy)の愛称で親しまれている。
第6番、第7番『ロドロン』、第8番『リュッツォウ』、そして本作の4曲はそれぞれ作曲年代が近いが、4曲の中で最後にある本作は内容、形式ともに特に優れた曲として高く評価されている。本作は1777年1月にザルツブルクで作曲され、フランスの女流ピアニストである「ジュノーム嬢」("mademoiselle Jeunehomme")がザルツブルクを訪れた際に、彼女に献呈されたといわれてきたため、従来は『ジュノーム』(Jeunehomme)という愛称で呼ばれていた。この曲の新鮮さ、大胆さとこれまでにない規模の大きさは、彼女の影響によるものとされている。(中略)
「ジュノーム嬢」が一体誰であるのかは長年の謎であり、モーツァルトの研究者の課題となってきたが、2004年3月15日に音楽学者のミヒャエル・ローレンツ(英語版)が、モーツァルトの友人で著名なフランス人舞踏家ジャン=ジョルジュ・ノヴェールの娘でピアニストのヴィクトワール・ジュナミ(Victoire Jenamy)であることを発見した。ローレンツによれば、「ジュノーム」なる名前は1912年に2人の著者(Téodor de Wyzewa, Georges de Saint-Foix)によって書かれたフランス語の伝記の中で初めて現れるが、単にこの人物の名前がわからなかったので、フランス語で「若者」を意味する "jeune homme" と呼んだものに過ぎず、結局のところ人の名前ではなかった。」(Wikipedia ピアノ協奏曲第9番 (モーツァルト) より)

 

 

 

 

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第9番 & 第19番

ルーマニア出身、“稀代のモーツァルト弾き”として知られるクララ・ハスキル。このアルバムは1952年と1956年に演奏された2曲の協奏曲がカップリングされたもので、カール・シューリヒトの傑出した伴奏とともに、時を超えて高く評価されている。

 

カール・シューリヒトの芸術[30枚組]

オーケストレーションを客観的に整理した解釈と、明確で生命力に満ち、なおかつ気品のある美しさを湛えた演奏が現在も多くの支持を集めているカール・シューリヒト。彼が1955年から60年まで、シュトゥットガルト放送交響楽団を振って南ドイツ放送(SDR)に残した放送用のセッション録音やライヴをCD20枚にわたり記録した「カール・シューリヒト・コレクション」、続くCD10枚組の「同第2集」、合計30枚のCDを新たに1つのBOXとした集大成が登場しました。巨匠の素晴らしい遺産をたっぷりとお楽しみいただけます。