ゆうきまさみ「新九郎、奔る!(8)」 いよいよ新九郎が関東に足を踏み入れます。 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日は「新九郎、奔る!(8)」を読みました。

 

前巻のことはこちらに記事投稿しています。

 

娘の出産祝いのため(実は借金目的(笑))で駿河に行きたいという父と対立した新九郎ですが今川家の動静を探って欲しいという本家貞宗の依頼により駿河に向かいます。これが後にその生涯をかけることになった東国へ足を踏み入れる事になった初めての機会でした。駿河で歓待された新九郎はそこからさらに足を伸ばし堀越公方足利政知と面会、ふとしたことで太田道灌とも知り合うことになります。複雑な状況にある関東の様子が新九郎の眼を通して描かれます。


以前このブログでもそのあたりの時期のことを記事にしたことがありました。

 

 

当時の関東は鎌倉公方・足利成氏による関東管領・上杉憲忠謀殺から始まる「享徳の乱」がだらだらと続いている最中。そしてそんな情勢をさらに複雑化させた「長尾景春の乱」の前夜とでも言うべき時期でした。

堀越公方、古河公方、関東管領山内上杉家、扇谷上杉家、太田道灌、長尾景春、今川家、そして伊勢新九郎・・・。まさに関東の戦国史がここから動き始めた、ちょうどそんな時代にさしかかってきたようです。

 

ゆうきまさみさんの「新九郎、奔る!」と富樫倫太郎著「北条早雲1~5」では細かいエピソードや新九郎のキャラクターなどずいぶん違っていますが、もちろん(当たり前かも知れませんが(笑))大まかな歴史的事実などはほぼ同じですので以前読んだ小説を思い出しながらコミックを見ると興味深いことが結構有ったりします。なるほどこういうことだったのか、と改めて分かったりすることがあったりもしますし、この人物は何だかイメージが違うな、などと思ったりすることもあったり・・・もします(笑) いずれにしろ伊勢新九郎という人もこの時代の関東のことも興味深いことが一杯です。しかし、八冊目でまだここまでですから、いったい何巻になるんでしょうね、このコミック(笑) 先が待ち遠しいです(笑)

 

 

 

新九郎、奔る!(8) (ビッグコミックス)

文明五年(一四七三年)、新九郎のもとに伯父・貞親逝去の報が届く。
それを皮切りに、応仁の乱のきっかけとなった人々が
次々とこの世を去ることに。

世代交代の波が押し寄せるなか、
新九郎は相も変わらず、自分の家の金策に頭を悩ませていた……

その矢先、姉・伊都が嫁ぎ先の駿河・今川家にて嫡男を出産。
父・盛定はお祝いを兼ねて、伊都への金策をしてくるよう
新九郎に駿河行きを命じるがーーー!?

乱の中心人物が不在でもなお、終わる気配のない天下の大乱。
そして荒れる関東。
時代はいよいよ戦国へと急速に向かい始める!

 

 

この巻の重要人物の一人でもある長尾景春を主役にした歴史小説

 

叛鬼 (中公文庫, い132-2)

北条早雲、斎藤道三よりも早く下克上を成し、
戦国時代の扉を開いた男がいた。

室町時代末期の関東。主君の横暴により全てを失った長尾景春は、下剋上を成し遂げるため立ち上がる。それを阻むのは、幼き頃より兄と慕った名将・太田道灌。そして景春が誰よりも戦いたくなかった相手だった。逆徒、奸賊、叛鬼。悪名を轟かせる景春を中心に、やがて戦国乱世の扉が開いていく――。
戦国前夜をダイナミックに描いた本格歴史小説!
巻末に著者と本郷和人氏の対談を特別収録。