昨日に続き、ロッテ・レーマンの歌曲を色々と聴いています。
最初にご紹介した動画は、シューマンの「詩人の恋」。これは普通は男声のための歌だと思いますが、これがなかなか聴き応えあります。普段私がこの曲を聴くのはほとんどフリッツ・ヴンダーリッヒの演奏、後はたまにディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、なのですが、青年の気持ちをリアルに表現するヴンダーリッヒとも少し引いて大人の目で見つめているようなディースカウともちょっと違う、女性の視点から見た青年が、逆に胸に迫ってくるような切実さを感じさせてくれます。柔らかく深く、そして時に激しい歌。優しく、しかし時には厳しく毅然として・・・
この録音のもう一つ重要な点。ピアノ伴奏をしているのが名指揮者ブルーノ・ワルターなのです。ワルターらしく柔らかく優しい音。そして・・・、シューマンの歌曲はピアノパートもただの伴奏では無く音楽的に重要な役割を担っています。ですから、この演奏の表現には少なからずワルターの音楽的解釈も反映されていると思います。それが聴けるのも貴重な記録かも知れません。
同じくシューマンの「女の愛と生涯」。この動画は1928年に録音された音源です。上記の「詩人の恋」と同じ頃に、同じくブルーノ・ワルターのピアノ伴奏で録音された音源もありますが、こちらはそれより10年以上前に録音された物です。まだ若いレーマンの声が魅力です。
最初にご紹介した「詩人の恋」もそうでしたが、ロッテ・レーマンはそれまで男声のための曲とされていた歌も積極的にレパートリーに加えていました。シューベルトの「美しき水車小屋の娘」や「冬の旅」を初めて全曲録音した女性歌手でもあるのです。
Schubert Winterreise, D. 911
, soprano
Paul Ulanowsky, piano
1940
Schubert Die schöne Müllerin D. 795
Lotte Lehmann, soprano
Paul Ulanowsky, piano
男声の歌を女性が歌うことで曲の別の側面か見えてくると言うこともあるような気がします。いずれにしろとても魅力的な歌の記録でした。
1940年前後の録音が多いですからレーマンは50代、若い頃の声の張りは少し衰えているかも知れませんが表現の深み、柔らかな包容力は素晴らしいですね。
Schubert „Die schöne Müllerin"




