どうもフェイスブックのコメントに返事を書いたりしているうちにブログ更新が出来なくなりそうで慌てている今日この頃。
一昨日はエーリヒ・クライバーのベートーヴェンをいくつか聴きましたが、クライバーの「田園」と同じ頃にもう一つ「田園」の音源を手に入れていました。(書き出しが昨日と全く同じじゃ無いか、って? 気のせいです。)
クレメンス・クラウス指揮:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1952年3月29日録音。これもライヴ録音です。
クレメンス・クラウスと言うと戦前の独墺系の名指揮者の一人として名前は良く出てきます。
この人はカラヤンの師匠にも当たり、またオトマール・スウィトナーも弟子の一人なのです。
ウィーン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場の音楽監督を歴任、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務めるなど戦前の活躍は華々しい物だったようです。
しかし、戦後はナチスとの協力関係が疑われるなどで活動が制限されたりようやく活発な活動が再開され始めた1954年に急死してしまったこともあり、戦前の名声に比べ音質の良い録音があまり遺されていません。
特にベートーヴェンやワーグナー、ブラームスなどの録音が少ない(ブルックナーやマーラーは無い)ため知名度と比べ実力を低く評価されていたきらいがあるような感じがします。
クレメンス・クラウスのレパートリーというとヨハン・シュトラウスの演奏がまず第一にあげられます。ウインナワルツの指揮者、等と悪口を言う人もいたりしたようです。(3大歌劇場の音楽監督やウイーンフィルの常任を務めた人がワルツしか振れないはずはありません。まあ、悪口に理屈は無いでしょうけれど(笑))
「クラウスはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と最もかかわりの深い指揮者の一人であるが、ウィーン・フィルが楽友協会大ホールで毎年1月1日におこなう、世界的に有名なニューイヤーコンサート(Neujahrskonzert)を1939年に始めたのはクラウスである(ただし当初は12月31日に行われ、1941年から1月1日にも開催されるようになった)。ニューイヤーコンサートのプログラムは、主にシュトラウス一家の陽気で美しいワルツやポルカで構成されており、12月30日(公開総練習)と12月31日(ジルヴェスターコンサート)も同様のプログラムが繰り返される。クラウスが最後に指揮した1954年1月1日の演奏はライヴ録音(OPUS蔵レーベルでCD化)として残されている。クラウスが突然この世を去った後、ウィーン・フィルのコンサートマスターであるヴィリー・ボスコフスキーに指揮が委ねられたが、マゼール時代を経て輪番制となっている。」(Wikipedia クレメンス・クラウス より)
よく、ヨハン・シュトラウスのウイーンフィルによる演奏を「ウイーンの伝統」と言われますが、その独特の表現も実は古くからの伝統と言うよりクレメンス・クラウスの指導による物がウイーンフィルに伝統として伝えられ残ったのでは無いか、とも言われています。
またもう一人のシュトラウス、リヒャルト・シュトラウスの録音も比較的多く遺されています。(クラウスはR.シュトラウスの弟子に当たり、尊敬し続けていました。またシュトラウスもクラウスを深く信頼していたようです。)
クラウスの「田園」は、1952年のライヴとしては聴きやすい音質でした。聴き始めてすぐに思ったのはウイーンフィルの音です。ふくよかで柔らかくニュアンスに満ちたオーケストラ。そして細部の表現がとてもチャーミング。音の切れ際がけっして乱暴にならない。活力にあふれ一気呵成に描き込んでいくクライバーの表現とはずいぶん違います。細やかに、そしてそれらの表現がすべてとてもセンスの良さを感じさせてくれます。クライバーもウイーンの人、クラウスもまた。どちらもかウイーン人の感じるベートーヴェンなのでしょう。そしてそのどちらもがとても魅力的なのです。
そう言えば、少し前に見たスウィトナーの映像の中でスウィトナーは最も指揮の上手かった人としてクレメンス・クラウスをあげていました。(それに次ぐのがクナッパーツブッシュだそうです。)
クナッパーツブッシュの指揮は以前映像を見たことがあります。
映像で見ることの出来る指揮者の指揮している姿の中で一番感激したのがこの映像でした。素晴らしく美しい棒の動きでした。
クレメンス・クラウスの指揮している姿も見てみたいな。
スウィトナーの話を思い出しながら、またそんなことを思いました。
下記ページにクレメンス・クラウスに関する詳細な記述があります。この指揮者について興味のある方はぜひ一度覗いて見て下さい。
一見の価値あり、と思います。
クレメンス・クラウス・コレクション ~1929-1954 Recordings
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