シュッツ:音楽による葬儀(Musikalische Exequien)
これは、ルター派の葬儀の形式に則った音楽で、ドイツ語訳の聖書や聖歌の文言に作曲された、ドイツ語によるレクイエムと呼ぶべき作品です。(ブラームスも影響を受けたところもあり、最初のドイツ・レクイエムとも呼ばれる曲です。)
シュッツがドレスデン宮廷楽団の楽長の時代、親交のあったポストゥムス・ロイス公が自分の死期が近いことを悟ってシュッツに作曲を依頼した作品でした。
ロイス公は生前に自分の棺を作らせ、その蓋などに自ら選んだ聖句やコラールの詩を刻んでいました。自らの葬儀の音楽も用意しようと言うことで、棺に刻まれた聖句やコラールの文言を基に作曲することを依頼したわけです。ロイス公の葬儀は1635年2月に行われました。この曲はその後1636年に出版されています。
曲は3つの部分からなっています。
第1部「ドイツ葬送ミサの形式によるコンツェルト」SWV279
ミサ曲のキリエとグローリアに相当する部分になります。(歌詞はドイツ語です。)
第2部「モテット」SWV280
礼拝の説教に相当する部分とされ、詩篇73編25、26の歌詞に作曲されています。
第3部「シメオンのカンティクム」SWV281
葬儀では棺を地中におろした時に演奏されました。ルカ福音書第2章29-32節に作曲された音楽です。
最初は淡々とした雰囲気に感じますが聴き進むうちに深い悲しみと祈りが心に痛切に迫ってくるようです。
ヘレヴェッヘの音楽は柔らかな手触りと温もりを感じさせるようでした。
ジョン・エリオット・ガーディナー John Eliot Gardiner
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
ヒズ・マジェスティーズ・サックバッツ&コルネッツ
モンテヴェルディ合唱団
A:アシュリー・スタッフォード
T:フリーダー・ラング
こちらはとても透明感の高い演奏です。ヘレヴェッヘの演奏とは大分感じか違いますが、こちらも美しい演奏です。
普通「ドイツ・レクィエム」と言えば、ブラームスの名曲を指しますが、ドイツ音楽隆盛の歴史はこの人から始まったと言えるシュッツにも「ドイツ・レクィエム」があります。最初は淡々とした印象しか受けないかもしれませんが、何度も聴くうちに全ての音符が心に響いてくるようになり、気がつけば虜になるという、不思議な音楽の力を持つのがシュッツの音楽。合唱を愛する人なら、自分の葬式で流したい曲のナンバーワンになるかも。(Amazon 商品の説明 より)
アルト歌手、アシュリー・スタッフォード他の歌唱による、シュッツ作品集。(Amazon 商品の説明 より)
