ラドミル・エリシュカ指揮札幌交響楽団の「ブラームス 交響曲第3番」のCDを入手し、聴いています。
2013年10月11日~12日、札幌コンサートホールKitaraでのLive録音盤。
併録されているのが「ドヴォルザーク チェロ協奏曲」で、これも同じ日に演奏された物です。(ソロの石川祐支さんは札響の首席チェリストです。)
これで、エリシュカ指揮札幌交響楽団の録音はすべて揃ったことになると思います。
(このCD、前から欲しかったのですが、ずっとAmazonで品切れになっていたためどうしようか迷っていたのです。結局今回はHMVオンラインで購入しました。)
CDは先にブラームス、その後にドヴォルザークが納められていましたが、今日はまずドヴォルザークの協奏曲から聴くことにしました。
最初の音が出た時から、ああ、良いなあ、と思いました。
柔らかなオーケストラの音。指揮者はシンフォニーのようなスケール感で音楽を作り上げていきます。決して遅いテンポではありませんが骨格のしっかりとした音楽。そして細かく微妙にテンポとディナミークを変化させていきます。
懐かしいような旋律、柔らかな歌。
チェロのソロも柔らかく暖かい音でゆったりと歌います。指揮者、オーケストラとの一体感があるようでとても安心してドヴォルザークの世界に浸ってしまいました。
やはり、この曲・・・良いなあ。
そのあとに聴いたブラームスはこれまた素晴らしい演奏でした。
これまで聴いたエリシュカ/札響の録音の中でもチャイコフスキーの交響曲第5番と並んで最高の演奏の一つではないかと思います。指揮者の繊細で緻密な音楽作りとそれに一体となって熱演するオーケストラ。柔らかなKitaraの響き。結果として熱く燃え上がり見事な音楽。録音でも感じられるくらいですからこの時間をその時に共有できた人はとても幸せだったのでは無いかと思います。
今日はとても満足。
2009年のエリシュカのN響登場は衝撃でした。その『わが祖国』全曲は同年のファン投票でも1位に選ばれ語り草となったエリシュカですが、以前より相思相愛、現在大変な蜜月の札幌交響楽団とのブラームス、得意のドヴォルザークの熱演が登場。エリシュカの緻密で細かなテンポ変換に見事に応える札響とのコンビは、往年のヴァント&ギュルツェニヒの名コンビを彷彿とさせ心に響きます。日本のオケの中でも北欧のオーケストラのような特徴を備える希有なオーケストラの札幌交響楽団ですが、近年、腕の磨き上げがことのほか素晴らしく、聴きものです。(キングインターナショナル)
