今を遡ること6年前。
私は、乳がんの手術のために
音楽教室の仕事を休むことになりました。
休むとはいっても、手術してしまったら
ピアノを弾けるようになるには、リハビリも必要で、もとに戻れるかどうかわからない・・・
ということでしたので、一応の覚悟をしてのおやすみでした。
検査して突然わかったことだったので、すべてが急展開。不安でいっぱいでした。

その日、私は入院することになっていた病院の待合室に
うなだれて座っていました。
ふと顔を上げると、そこに・・・・
5年も6年もお会いしていないけれども、よく知っている方の顔がありました。

お互いにびっくりしました

「河上さん、どうしてここにいるの?!」
「・・実は、これから入院して手術をすることになっていて・・・」

思わず、今の自分のことと、不安な気持ちを話しました。

そうしたら、なんと、ご本人も数年前に手術をされ
そして、リハビリをして、その後もとの生活に戻られたとのこと。
いろいろな情報をお話してくださって、そして手を取って力つけてくださいました。
治って元気になられた経験者のお話に、
どれだけ私は勇気づけられたことだったでしょう。

それにしても、病院の待合室で、偶然に、必要な方に出会う
・・というのが、信じられないようなことだと思いました。
ご本人も、お父様の付き添いで、たまたま、その日は久しぶりに病院を
訪れたということだったのです。

その時、ふと、神様はいるんだ。と思いました。
自分で乗り越えられ、自分を大きくするような出来事を私の前に起こしていくだけでなく
そのためのアドバイスをする方まで一緒に私の前に置いて行った。。。と。

この話には続きがあります。
最後の確認のために病院を訪れたのに
癌らしきものが、小さくなっていることが判明。
小さくなるものは、癌ではないので、様子を見ましょう、ということになり
数カ月後、結局、手術はなくなりました。

今でも、あれは何だったのかな。と思います。
でも結局、このことから、私は演奏を本気でやっていくことを決めたので
私が本当に望んでいたことを実現するために
神様がちょっとしたいたずらをしたのかもしれない、と思っています。



先日、この方と、また5年ぶりに再会しました。
ランチをご一緒しながら、いろいろなことを話しました。
なんと、住んでいるもより駅が隣りだったのです。

不思議な感じがしました。

私の大きな変化のときに、ふと顔を見せてくださる方。
人は、不思議な偶然によって、誰かを助けたり、気づかせたりする
天使になることがあるのかもしれません。


私には信じている宗教はありませんが
でも、それにしても、たしかに不思議な大きな存在はある、
見守っているものがある、と
こういうときに思います。



結社への毎月の短歌の提出。
そのたびに、夏休みの宿題をぎりぎりで仕上げる小学生のような
気持ちになります。
もともと不器用なところのある私。
なんとか続いているのは、諸先輩方のあたたかいお気遣いや、励ましのおかげかも
しれません。

日本語は、豊かで、かつ、いい意味で曖昧な言葉だと思います。
短歌の言葉は、ひとりひとりの中に違う意味合い・色合いで伝わることを許すもの。

「人は、見たいものだけを、見たいように見る」
しかし、それこそがひとりひとりの個性。というような
おおらかさ・包容力を感じることがあります。


・・・・・・・・・・・




瞑想のジャズ透明にいかほどの壮絶を超え君は奏でる





音楽は見えない雫の光受けとろり寄り添うひとのこころに





吹く風は金に染まりて春近し我が住む街のゆるり熟れゆく





君の息をひとつふたつと数えおり少なき言葉を補うように




3月12日、月夜の仔猫にてライブをいたしました。
この日は、ベースの中山英二さんの復活(!)ライブ。
そして、バイオリンの笹部裕子さんが加わった初ライブでもありました。
デュオがトリオになり、音の豊かさが増しました。
縦の線に横の広がりが加わったような・・

中山さんと出会って、ご一緒させていただくようになって、気づきとともに
毎回、ふかいところと高いところ、両方に音で触れているような喜びがあります。
今回もそうでした。
次への課題も発見(発見すると嬉しい私♪)

一年前のことを思い出します。
地震の日、私はレコーディングをしていました。
停電で録音は中断し、スタッフの方たちと一緒に電気の復旧を待つこと6時間、
そのあと、さらに一曲歌の録音をし、
さらに6時間、駅前で寒さに耐えながら、タクシーを待ち続けました。

あれから一年。いろいろなことがありました。
音楽を続けていく上でも、「背水の陣」ではないですが、覚悟が何段階も必要で
私にとっては、その「覚悟」が深まっていくのを感じ続けた一年だったと思います。

高いところから飛び降りるような感覚。
そして、落ちながら、次を考えるような。
着地してみたら、思いもかけないところに着いてみたり・・

今日、朝ドラを見ていたら、ヒロインの糸子が
「自分の体で崖っぷち立たん事には、絶対ここまでオモロない」
と言っているセリフがあり、そうそうそう。と思った私です。

昨年はいろいろと大変なこともありましたが、音楽があったから私は救われました。

これからも、糸子のように、夜寝るのが惜しくて、朝起きるのが楽しみな
そんな気持ちで、生活に音楽に向かえたらいいな、と思います。