最近、ABCテレビの「これ余談なんですけど…」という番組で、芸人「かまいたち」の山内健司さんが「医師に聞かれたのと同じことをまた(薬剤師から)聞かれるとイライラする」と不満を話題にしたらしい。
私も薬剤師さんから不躾に紋切り型に聞かれると、答えるのが面倒になることもある。
(薬剤師のコミュ力にもよる笑)
でもね、医師も人間だから薬を間違えて処方することもある。特に専門外のあまり知らない薬は参考書で調べながら処方する場合もある。
そして、実際には
薬剤師から医師へ疑義照会して、処方薬が変更になることはしばしばある。
「医師のプライドを守る為」と「患者に不安を感じさせない為」に処方薬が変更になったことは患者には伝わらないことが多い。
私が知っている事例はたくさんあるけど
事例①(かなり前の話)
総合病院の泌尿器科医の処方箋を新患の男性患者が持ってきた⤵︎
「グリミクロン(40)3錠/1日3回」
糖尿病の薬が処方されているけれど、最初から1日3錠なんて服用すると低血糖症状を起こしかねず危険な処方である。
薬剤師が患者さんに聞き取りをすると
・糖尿の値は正常である
・前立腺ガンで抗がん剤を服用しているが肝臓機能の値が悪化してきた
それを聞いて薬剤師は「グリミクロン(糖尿病薬)ではなくてグリチロン(肝臓の薬)の間違いではないか?」と医師に電話で確認したところ、やはりグリチロンに訂正になった
医師は、肝臓の薬を処方するつもりが間違えて糖尿病薬を処方したのだ
医師がPCでグリと入力して間違えてグリミクロンをクリックしたらしい
事例②
総合病院の循環器科医の処方箋を片頭痛の若い男性が持ってきた⤵︎
「ミグシス 1錠/片頭痛発作の時 頓服 5回分」
片頭痛の発作がおきたら拡張した脳血管を収縮させなければいけないのに、ミグシスは逆に脳血管の収縮を抑える。だから発作の時に処方薬のミグシスを服用すると発作が悪化して苦しむ可能性がある。
片頭痛の予防(血管の収縮から拡張が起きる初期の段階に作用)にはミグシスは使われるが、いざ発作がおきたら逆の作用の薬(トリプタン系)が使われる
医師に「ミグシスは予防薬であり、発作には使わないのでトリプタン系に変更してはどうか」と聞いた結果、イミグラン錠(トリプタン系)に変更になった
①も②も同じ薬剤師さんだけど、毎日、薬の勉強をしてノートにまとめている薬剤師さんだった。
患者さんのお役に立ちたいんだって。
ともかく医師の処方ミスを薬剤師がみつけて薬が変更になることは珍しくない。
用法の間違いなんてザラ。
厚労省も国民に実際の事例を紹介すればいいのに…
(薬局機能評価の一環として薬局からは国の機関へ報告)
事例はたくさんあり長くなりそうなので話をやめますが、やはり薬剤師は必要だと思うよ。
患者さんから聞いた内容と処方薬を照らし合わせて、最終的に最後に薬を渡すのは薬剤師。
患者さんから症状や併用薬を聞いたからには薬剤師は患者さんに薬を渡すことに責任を負うことになるしね(医師のミスを見逃したら訴訟をおこされるリスクも負う)