種子をつなぐ人〜西原雑穀栽培の暦〜

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まきてぃ.です。

私が学ばせていただいている野口整体の道場では

現代人で玄米が合う人は少ない。

白米（7部づきくらいでも良い）にキビ、アワ、ヒエを混ぜて炊くと良いと言います。

キビ、アワ、ヒエなど、今ではとても貴重な雑穀ですね。

貴重なキビ、アワ、ヒエなどの雑穀農家さんの映画「種をつなぐ人」

種子をつなぐ人〜西原雑穀栽培の暦〜

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★「映画「種子をつなぐ人」制作のきっかけと、雑穀の里・西原について★

この映画は、この数年来、西原の雑穀や里山の文化を自らのライフワークとして取材、撮影を続けてきた写真家の大橋弘と著述家の陸田幸枝が、映画の主人公である雑穀の師匠・中川智さん本人から、雑穀栽培の記録映像を残してくれないか？と頼まれたことがキッカケで始まりました。

映画「種子をつなぐ人」の舞台、西原について、陸田幸枝の書いたレジュメと、大橋弘が撮影した西原の写真を一部、ご紹介します。

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≪西原種子をつなぐ人 ―雑穀栽培の暦こよみ ≫

上野原市西原は、相模川の源流域の山間に点在する集落です。どこへ行くにも坂道。どちらを向いても山。平地はわずかしかなく、集落の人たちは、山の畑を耕してムギやソバ、キビ、アワ、ヒエなどの穀類やイモ、豆、野菜など育て、炭焼きや山仕事をして暮らしてきました。集落の川のほとりでは今も、穀類を脱穀したり、粉に挽いたりする水車が回っています。

西原、原地区の雑穀栽培の師匠、中川智さん（1937生）が子供のころまで、雑穀が主食でした。昭和３０年代に車道ができ、米が手軽に手に入るようになると、西原の雑穀作りも徐々に消えていきました。今では、中川智さん仁さん兄弟と弟子の冨澤太郎さんが、本格的に雑穀栽培をする最後の農家です。

鍬くわで耕して種子を播き、手で草を抜き、鋏はさみで穂を切って収穫して、食用と種子を採る。機械に頼らない昔ながらの栽培法です。雑穀は土を選ばず、虫にも病気にも強いといいます。肥料も種まきの時に元肥を１回するだけで、消毒もいらない。これが中川さん流です。

もともと農家は、自家採種で作物を作るのがふつうでした。収穫したものの中からよくできたものを選び来年の春に播く種子にする。これを毎年繰り返すことで、長い時をかけて品種改良もしてきました。

栽培をやめれば、種子も失われます。全国の雑穀の種子が失われつつある今、中川さんが続けているのは、畑で順繰りにいのちをつなぐことでもあります。

「種子を分けて欲しいという人があれば、分けてあげなさい、と父はいつも言っていました。種子を分散しておけば、ここで万一のことがあっても、どこかで芽を出して生きのびるでしょう」中川智さんは種子をつなぐことの重さを、父親から受け取りました。今年収穫した実が貴重な食べ物になって人の命を支え、来年の種子になって、作り続ける限り循環していく。種子は間違いなく、未来につながっています。

中川さんが、草を雑草と言うのを聞いたことがありません。キビ、ヒエ、アワと、雑穀もそれぞれの名前で呼んでいます。代々そうしてきました。暗黙のうちに、ひとつひとつの穀物を尊ぶ気持ちが込められているのです。

雑穀作りを目指す人たちが、中川智さんの元へしばしばやってきて、ともに汗を流して学んでいきます。代々守られてきた種子も、その守り手たちも一緒に中川さんの畑で育ちます。

栽培を志す人のために、中川智さんの雑穀栽培の四季を記録しました。手ほどきの一助になれば幸いです。

制作スタッフ一同

　　著述家陸田幸枝　写真家大橋弘　映像作家三梨朋子

写真：大橋弘