植物、部屋の「気」、チラ見せその② | 風水開運生活実践ブログ

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昨年から育てているパキラ。

先月終わりごろから

また新芽が出てきてる!

 

土用期間中なので、土に触れないよう

気をつけつつ、成長が気になるので

ちょこちょこ覗いちゃう。

けっこう背丈が伸びたので、

土用が明けたら鉢をひとまわり

大きいものに植え替えようかな。

植物がすくすく育つかどうかは、

その部屋の「気」を計る、ひとつの

バロメータ。コパ先生の書斎なんか、

すばらしい育ちようですもんね。

 

 

さて、昨日に引き続いて

チラ見せコーナー②です。

今日はヒロインと、その兄の様子です。

 

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イチゴ柄のパジャマをぬぎ、白いチュニックブラウスとジーンズに着替えた彼女は、肉厚のカーペットが敷き詰められたリビングへ出た。すると上質のアンティーク家具に囲まれた部屋の中で、1人の若い白人男性が振りむいてほほえみかけた。

「おはよう、千晶。どうした。今朝はやけに顔色がさえないな」

ミルクティーのカップを手に、彼は黄色い花模様のソファーから声をかけた。

組んだ長い脚。肩先で切りそろえた、つややかで流れるようなクセのない黄金の髪。エヴァーグリーンの美しい瞳が印象的な、整った顔立ち。均整のとれたすらりとした長身。まだ二十代前半と思われるその男性は、まるでギリシャ彫刻のように美しかった。

 

 

高い天井から大きなクリスタルシャンデリアが下がるリビングで、黄金の髪の青年は手にしていたセーブルのティーカップを、優雅な仕草でテーブルに戻した。彼の心配そうな顔つきに、しかし千晶は首を横に振った。

「何でもないの、お兄さま。ただ、ちょっと昔の夢を見ただけ」

青年によけいな心配をかけまいと彼女は笑顔を作ってみせ、それからキッチンへ向かった。が、青年は逆に、花も見とれるような美しいその顔をしかめた。

「あの夢か……大丈夫なのか?気分が悪ければ、今日は休みなさい。一昨日(おととい)も下校途中に怪しい気配を感じたと言っていたし、もしかすると何か虫の知らせかも……」

青年が春の景色を思わせるエヴァーグリーンの瞳を曇らせると、千晶は今度は本当にクスッと笑った。

「大丈夫よ。あれからもう3年ちかく経つんですもの。ちょっと目覚めは悪かったけど、ご心配には及ばないわ。一昨日(おととい)のことだって、気配というだけで何かがあったわけじゃないし……さ、トーストが焼けたわ。朝食よ、お兄さま」

朝陽がたっぷり入る、広いキッチンの一角に置かれた朝食用の小さなテーブルに、千晶は彼女が兄と呼ぶ白人男性のためにトーストや卵やベーコン、炒めたトマトなどの皿を並べた。そして自分用にはフルーツを乗せたシリアル、それからヨーグルトを冷蔵庫から取り出した。彼女は肉や卵など動物性の食品を好まず、摂るとしても白身魚か魚介類がせいぜいだった。

「また、それだけか。おまえは偏食が過ぎるぞ。もう少し食べる努力をしないと、成長期なのだし……」

ギリシャ彫刻のように美しく優雅な青年が、苦笑半分で小言を言いかけると、千晶は笑って遮った。

「あら、ダイエットよ。朝からそんなに食べたら、保安局長のコール氏みたいになっちゃうわ」

「おまえにダイエットが必要とは、到底思えないな。14歳なら食べ盛りのはずなのに、食が細くて、おまけに虚弱体質で……3食を持てあますなら、4食に分けて食べなさい。でないとこの前みたいに、また入院だ」

「はぁい、主治医(ドクタ)()。お医者様である、お兄さまには叶わないわ。努力します」

千晶は答えたが、内心ではさほど気に留めていなかった。彼女の食に対する興味は、間違いなく薄かった。