最近の私の投稿はロシア語をメインテーマにしておりました。それに関しては意図的にロシア語学習から離れた約半年のリハビリとして行ったものでした。そしてリハビリ期間が無事に終わりロシア語を学習するという習慣が戻り、目的を達成しました。
今回投稿の見直しに着手することにしたのは、うちのお店の登録販売者の従業員からのお言葉でした。それは「久しぶりに先生のブログを覗いてみたらロシア語だらけだったので読みませんでした」というものでした。
私が過去に投稿したブログの中で過去30日にさかのぼって一番アクセス数が多かった記事がこれ
でした。
これはどうしてか
私なりに考えてみたところ、今の世相にマッチしているからだと思うに至りました。現在、Covidー19の罹患者が増え続けております。このことは、現場で対応しているものとして、ひしひしと体感しております。
まいにち「アンスペクトコーワ」(⬅️医療用抗原検査キット)の販売をしない日はございません。
その際に話を伺うとご家族が濃厚接触者になったとか、病院の検査で陽性となったとかという話を良くききます。しかし、今のところ症状はホントに軽い印象です。鼻水や咳と発熱(せいぜい38℃くらい)です。また馴染みのお客さまのお一人は平熱で大した症状はなかったものの、病院での検査(PCR検査か抗原検査かは不明)で陽性となり、10日ほど自宅で待機を余儀なくされたと言って怒っておられました。
こういうご時世からでしょうかにわかに「補中益気湯(ほちゅうえききとう)」という漢方薬が注目されているようです。
この漢方薬はCovidー19罹患後の体力の回復に役立ちますし、日頃から服用することで、これはマウスを用いた実験による知見ですが、「感染防御免疫系を活性化し、ウイルスに対する生体防御反応を高める薬理作用があることを見出した」ということです。
⭐人を被験者としての研究ではありませんが、私の経験上、効果を期待できると思います
詳しくは下のリンクをご参照ください。
⬇️
https://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/2021/210421_01/
ということで、今日は「補中益気湯」の話をしたいと思います。
これまでにこの「補中益気湯」のことは折に触れてこのブログに書かせてもらいましたが、ここで再度どんな漢方薬か確認したいと思います。
まずは使われている生薬についてですが、次のような構成になっています。
【補中益気湯】
構成生薬
黄耆(おうぎ)4.0
当帰(とうき)4.0
人参(にんじん)4.0
白朮(びゃくしゅつ)4.0
柴胡(さいこ)2.0
升麻(しょうま)2.0
大棗(たいそう)2.0
陳皮(ちんぴ)2.0
甘草(かんぞう)1.5
生姜(しょうきょう)1.0
単位はg
原典は李東垣(りとうえん)の『内外傷弁惑論(ないがいしょうべんわくろん)』です。
この投稿はおそらく登録販売者の方に読んでもらえるかなぁ、ということを期待して書いておりますので、せっかくの機会ですからこの「補中益気湯」がどういう性質の漢方薬かを推定する助けになる考え方をお伝えしたいと思います。
この中に基本方剤といって、を探すことから始めます。
上の構成生薬から、[人参] 、[白朮]、[茯苓]、[甘草]([生姜]、[大棗])を探し出します。
実はこの生薬の組み合わせを「四君子湯」といいまして、これは「気虚の基本方剤」です。「気虚」とは何でしよう
その前に「気」とは何かを知る必要があります。この「気」とは、「生命活動を営む原動力」のことで、単純に「生命エネルギー」とイメージすれば良いと思います。このことから「気虚」とは「生命エネルギー」が衰えたあるいは枯渇した状態ととらえることができます。
人は「生命エネルギー」の消耗を「疲れ」と感じます。つまり、「疲れに伴う諸疾患」こそが「気虚」という状態です。漢方では「気虚」という状態のことを難しい言葉ですが、「証」という漢字を添えて「気虚証」といっています。
「気虚証」の具体的な症状は、疲労感、脱力感、かぜにかかり易い、呼吸が浅い、声に力がない、食欲がない、食事が味気ない、顔色が蒼白い、めまい、動悸、舌の色が淡い、舌に歯形が残る(⬅️歯痕舌といい水毒(水滞)の証でもあります)、脈に力がないなどです。
「四君子湯」に含まれる6つの生薬のそれぞれの役割は、次のようになっています。
●[人参]が補気の主薬。「補気」とは枯渇した「生命エネルギー」を補うという意味です。
●[白朮・茯苓]は共に燥性(乾かす性質という意味です)で健脾の働きがあります。
●[甘草]は補気および諸薬の調和。
●[生姜・大棗]は食欲不振を改善します。
これからが本題です。
「補中益気湯」は「四君子湯」から[茯苓(ぶくりょう)]を除いて、[黄耆]、[陳皮]、[升麻]、[柴胡]、[当帰]を加えたものと考える(⬅️これは便宜的にそのように考えたほうが、理解しやすいからです)ことができます。そして名前の由来は「中(焦)」を「補」い、「気」を「益」すという意味から名付けられたと考えられます。補剤の王者として別名『医王湯(いおうとう)』と称されます。
「補中益気湯」は「四君子湯」にさらに生薬が加わってパワーアップしていると考えると良いです。
●[人参]に[黄耆]が加わった漢方薬を「参耆剤」と呼んでいます。脾胃気虚による生体の活力低下を治す代表的な補気薬として使われています。
●[白朮]も同様に脾胃気虚による生体の活力低下を治します。
●[陳皮]が理気薬として胃腸機能を整え胃内停水や湿を取り除きます。
●[生姜・大棗]が胃腸を温め脾胃を整えることで、消化管の低下による気の生成不足を改善します。
●[当帰]は補血に働き補気の効果を増強しています。
●[柴胡]の役割は疏肝(そかん:肝気鬱結を発散すること)の働きよりも、理気薬として処方全体の効果を全身に巡らせる方向に働きます。
●[升麻]は柴胡と共に気を上げる代表的な升性薬で、内臓を引き上げる効果があります。
●[黄耆]は体表の血行を高めて栄養を補うことで皮膚の機能を高め、盗汗(とうかん:寝汗)を治します。[人参]と一緒に使うことで[人参]の効果を強めます。
という具合で、「四君子湯」の補気健脾作用を強め、それを上方に強制的に巡らせる漢方薬ということができます。
このような「補中益気湯」ですが、一般用医薬品の外箱には次のような記載があります。
〖効能・効果〗は、消化機能が衰え、四肢倦怠感が著しい虚弱体質者の次の諸症状:夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔疾、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随など多岐に渡っています。
私の経験では、便秘や下痢にもさらには低血圧にも効果を発揮します。
「補中益気湯」についてはここで一旦、終わりにします。また次回書こうと思います。
⭐私が風邪をひきそうだ(寒気を感じる)なぁ、というときにやる方法は実は次の方法です。
①「補中益気湯+葛根湯を飲む」
②「エゾエース+葛根湯を飲む」
ウソのように寒気がなくなり身体が温まります
エゾエースは知らない方が多いかと思いますが、ドラッグストアのツルハグループだけで販売しているエゾウコギ配合のドリンク剤です。私はケース(40本)で買って家に常備していますし、持ち歩いています。
次は外国語によるカウンセリングについて書かせてもらいます。興味のない方も読んでいただけたら嬉しいです。
先日は英語がメインだったのですが、今回は私の中でも現在取り組み中の言語のロシア語を取り上げます。
参考図書は、まるごと覚えようNHKスタンダード40 ロシア語 亀山郁夫著
ですが、2005年第7刷のものを使用しました。現在はどうやらリニューアルされているようですね。
ではさっそく行きましょう❗
ドラッグストアで具合の悪そうなロシア語話者がやってきたという想定です。
実際には、Здраствуйте. というような挨拶が入るのが自然なのかも知れませんが…。
[1]どうなさいましたか?
・Что с вами?
[2]どんな症状ですか?
・Какие у Вас симптомы?
[3]いつから始まりましたか?
・Когда это начало вас беспокоить?
[4]どこが痛いですか?
・Где у вас болит?
[5]どこどこが痛むんです。
・У меня болит сердце (горло/живот/зуб/желудок).
心臓(のど/おなか/歯/胃)が痛むんです。
・Болит здесь.
ここが痛い。
[6]その他の表現
・Вам плохо?
(気分が悪いのですか)
・У вас есть температура?
(熱があるのですか)
[7]相手を安心させる表現
・Не волнуйтесь!
(心配には及びません!)
・Нет ничего.
(いいえ、大丈夫です)
これらの文は暗記ですね。
今日はこの辺で終わりにします。
お読みくださりありがとうございました