来年度の登録販売者試験の合格を目指す方へのサポートのために投稿しています。登録販売者試験に合格するためには、「試験問題の作成に関する手引き(以下、「手引き」と書きます)」を読み込むことが必要だと私は考えています。


    そこでまずは「手引き」を読んでもらい、切りのよいところで力試しに令和1年の北海道の登録販売者試験問題を解いてもらっています。


   そうすることで「手引き」の読み込みと試験に試験に受かる実力が養成されると思います。


    今日は「手引き」の第3章(「主な医薬品とその作用」)の「Ⅰ 精神神経に作用する薬」の「5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)」です。「手引き」の分量は2ページ強と多く、大変重要な分野でよく出題されています。しっかり読み込んで【練習問題】を解いてみてください。また【類題】をたくさん載せますので、「5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)」を得意にしてしまいましょう。



5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)

    めまい(眩暈 )は、体の平衡を感知して、保持する機能(平衡機能)に異常が生じて起こる症状であり、内耳にある平衡器官の障害や、中枢神経系の障害など、様々な要因により引き起こされる。  乗物酔い防止薬は、乗物酔い(動揺病)によるめまい、吐きけ、頭痛を防止し、緩和することを目的とする医薬品である。

 1)代表的な配合成分、主な副作用

    抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分及び鎮静成分には、いずれも眠気を促す作用がある。抗コリン成分では、眠気を促すほかに、散瞳による目のかすみや異常なまぶしさを引き起こすことがある。乗物の運転操作をするときは、乗物酔い防止薬の使用を控える必要がある。

    なお、乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されるが、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない。

    (a) 抗めまい成分

    ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示し、海外では制吐薬やめまいの治療薬として使われてきた。日本においては専ら抗めまい成分として用いられている。副作用として、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様な頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩しさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある。

    排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。

    (b) 抗ヒスタミン成分

    抗ヒスタミン成分は、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。また、抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を示すものが多いが、抗コリン作用も乗物酔いによるめまい、吐きけ等の防止・緩和に寄与すると考えられている。

    ジメンヒドリナートは、ジフェンヒドラミンテオクル酸塩の一般名で、専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である。

    メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長く、これも専ら乗物酔い防止薬に配合されている。

    プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分については、外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。

    このほか、乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分としては、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩等がある。抗ヒスタミン成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅶ(内服アレルギー用薬)を参照して作成のこと。

    (c) 抗コリン成分

    抗コリン作用を有する成分は、中枢に作用して自律神経系の混乱を軽減させるとともに、末梢では消化管の緊張を低下させる作用を示す。抗コリン成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅲ-3(胃腸鎮痛鎮痙薬)を参照して作成のこと。

    スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分で、消化管からよく吸収され、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、 肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。

    スコポラミンを含む成分としてロートコンの軟エキスが配合されている場合もある。

    (d) 鎮静成分

    乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素のような鎮静成分が配合されている場合がある。鎮静成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅰ-3(眠気を促す薬)を参照して作成のこと。

    (e) 中枢神経系を興奮させる成分(キサンチン系成分)

   脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、カフェイン(無水カフェイン、クエン酸カフェイン等を含む。)やジプロフィリンなどのキサンチン系と呼ばれる成分が配合されている場合がある。カフェインには、乗物酔いに伴う頭痛を和らげる作用も期待される。

    なお、カフェインが配合されているからといって、抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分又は鎮静成分の作用による眠気が解消されるわけではない。カフェインに関する出題については、Ⅰ-4(眠気を防ぐ薬)を参照して作成のこと。

    カフェイン以外のキサンチン系成分に関する出題については、Ⅱ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照して作成のこと。

    (f) 局所麻酔成分

    胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、アミノ安息香酸エチルのような局所麻酔成分が配合されている場合がある。

    アミノ安息香酸エチルに関する出題については、Ⅲ-3(胃腸鎮痛鎮痙薬)を参照して作成のこと。乗物酔い防止薬においても、アミノ安息香酸エチルが配合されている場合には、6歳未満への使用は避ける必要がある。

    (g) その他

    吐きけの防止に働くことを期待して、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、リボフラビン等のビタミン成分が補助的に配合されている場合がある。これら成分に関する出題については、ⅩⅢ(滋養強壮保健薬)を参照して作成のこと。


 2)相互作用、受診勧奨等

    【相互作用】 抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、鎮静成分、カフェイン類等の配合成分が重複して、鎮静作用や副作用が強く現れるおそれがあるので、かぜ薬、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬、鎮咳去痰薬、胃腸鎮痛鎮痙薬、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)等との併用は避ける必要がある。

    カフェイン類が配合されている場合の留意点についてはⅠ-4(眠気を防ぐ薬)を参照して問題作成のこと。


    【受診勧奨等】 3歳未満では自律神経系が未発達であるため、乗物酔いが起こることはほとんどないとされている。乗物酔い防止薬に3歳未満の乳幼児向けの製品はなく、そうした乳幼児が乗物で移動中にむずがるような場合には、気圧変化による耳の痛みなどの他の要因が考慮されるべきであり、乗物酔い防止薬を安易に使用することのないよう注意される必要がある。

    乗物酔いに伴う一時的な症状としてでなく、日常においてめまいが度々生じる場合には、基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要である。その場合、動悸や立ちくらみ、低血圧などによるふらつきは、平衡機能の障害によるめまいとは区別される必要がある。高齢者は、平衡機能の衰えによってめまいを起こしやすく、聴覚障害(難聴、耳鳴り等)に伴って現れることも多い。



【練習問題】

    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。(令和1年・北海道・問27)


a つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない。

b 抗ヒスタミン成分による眠気は、カフェインの配合によって解消される。

c ジメンヒドリナートは、専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である。

d アミノ安息香酸エチルが配合されている場合には、6歳未満への使用は避ける必要がある。



     a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 誤 正











【解答】
a・・・正
b・・・誤
c・・・正
d・・・正
以上により、答えは「3」。

【解説】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)についての基本問題です。本試験でこのような問題はしっかり得点したいですね。

    では解き方ですが、問題文aと問題文bの正誤がそれぞれ「正」と「誤」であれば答えが決まります。そして問題文aは「正」で問題文bは「ヒスタミン成分による眠気は、カフェインの配合によって解消されない」ですから、「誤」です。


   では、「手引き」を再度引用します。各問題文の基礎になった部分に注意しながらよく読んでください。


5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)

    めまい(眩暈 )は、体の平衡を感知して、保持する機能(平衡機能)に異常が生じて起こる症状であり、内耳にある平衡器官の障害や、中枢神経系の障害など、様々な要因により引き起こされる。 乗物酔い防止薬は、乗物酔い(動揺病)によるめまい、吐きけ、頭痛を防止し、緩和することを目的とする医薬品である。

1)代表的な配合成分、主な副作用

    抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分及び鎮静成分には、いずれも眠気を促す作用がある。抗コリン成分では、眠気を促すほかに、散瞳による目のかすみや異常なまぶしさを引き起こすことがある。乗物の運転操作をするときは、乗物酔い防止薬の使用を控える必要がある。

    なお、乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されるが、[問題文a]つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない

(a) 抗めまい成分

    ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示し、海外では制吐薬やめまいの治療薬として使われてきた。日本においては専ら抗めまい成分として用いられている。副作用として、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様な頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩しさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある。

    排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。

(b) 抗ヒスタミン成分

    抗ヒスタミン成分は、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。また、抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を示すものが多いが、抗コリン作用も乗物酔いによるめまい、吐きけ等の防止・緩和に寄与すると考えられている。

    [問題文c]ジメンヒドリナートは、ジフェンヒドラミンテオクル酸塩の一般名で、専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である

    メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長く、これも専ら乗物酔い防止薬に配合されている。

    プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分については、外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。

    このほか、乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分としては、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩等がある。抗ヒスタミン成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅶ(内服アレルギー用薬)を参照して作成のこと。

    (c) 抗コリン成分

    抗コリン作用を有する成分は、中枢に作用して自律神経系の混乱を軽減させるとともに、末梢では消化管の緊張を低下させる作用を示す。抗コリン成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅲ-3(胃腸鎮痛鎮痙薬)を参照して作成のこと。

    スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分で、消化管からよく吸収され、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、 肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。

    スコポラミンを含む成分としてロートコンの軟エキスが配合されている場合もある。

    (d) 鎮静成分

    乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素のような鎮静成分が配合されている場合がある。鎮静成分に共通する副作用等に関する出題については、Ⅰ-3(眠気を促す薬)を参照して作成のこと。

    (e) 中枢神経系を興奮させる成分(キサンチン系成分)

    脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、カフェイン(無水カフェイン、クエン酸カフェイン等を含む。)やジプロフィリンなどのキサンチン系と呼ばれる成分が配合されている場合がある。カフェインには、乗物酔いに伴う頭痛を和らげる作用も期待される。

    なお、[問題文b]カフェインが配合されているからといって、抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分又は鎮静成分の作用による眠気が解消されるわけではない。カフェインに関する出題については、Ⅰ-4(眠気を防ぐ薬)を参照して作成のこと。

    カフェイン以外のキサンチン系成分に関する出題については、Ⅱ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照して作成のこと。

    (f) 局所麻酔成分

    胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、アミノ安息香酸エチルのような局所麻酔成分が配合されている場合がある。

    アミノ安息香酸エチルに関する出題については、Ⅲ-3(胃腸鎮痛鎮痙薬)を参照して作成のこと。乗物酔い防止薬においても、[問題文d]アミノ安息香酸エチルが配合されている場合には、6歳未満への使用は避ける必要がある

    (g) その他

    吐きけの防止に働くことを期待して、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、リボフラビン等のビタミン成分が補助的に配合されている場合がある。これら成分に関する出題については、ⅩⅢ(滋養強壮保健薬)を参照して作成のこと。


2)相互作用、受診勧奨等

【相互作用】 抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、鎮静成分、カフェイン類等の配合成分が重複して、鎮静作用や副作用が強く現れるおそれがあるので、かぜ薬、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬、鎮咳去痰薬、胃腸鎮痛鎮痙薬、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)等との併用は避ける必要がある。

    カフェイン類が配合されている場合の留意点についてはⅠ-4(眠気を防ぐ薬)を参照して問題作成のこと。


    【受診勧奨等】 3歳未満では自律神経系が未発達であるため、乗物酔いが起こることはほとんどないとされている。乗物酔い防止薬に3歳未満の乳幼児向けの製品はなく、そうした乳幼児が乗物で移動中にむずがるような場合には、気圧変化による耳の痛みなどの他の要因が考慮されるべきであり、乗物酔い防止薬を安易に使用することのないよう注意される必要がある。

    乗物酔いに伴う一時的な症状としてでなく、日常においてめまいが度々生じる場合には、基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要である。その場合、動悸や立ちくらみ、低血圧などによるふらつきは、平衡機能の障害によるめまいとは区別される必要がある。高齢者は、平衡機能の衰えによってめまいを起こしやすく、聴覚障害(難聴、耳鳴り等)に伴って現れることも多い。


 

    【練習問題】だけで「手引き」の範囲をカバーできないですし、ここは過去問も多いです。そこで【類題】を載せておきます。尚、解答は載せますが解説は書きません。各自で「手引き」の引用を読んで確認してください。



【類題1】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。(令和1年・奈良県・問68)


a メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く、持続時間が長い。

b ジフェニドール塩酸塩は、緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがある。

c スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、肝臓での代謝が緩やかなため、抗ヒスタミン成分と比べて作用の持続時間は長い。

d 不安や緊張などを和らげることを目的として、ジプロフィリンが配合されている場合がある。


1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)











【解答】
a・・・正
b・・・正
c・・・誤
d・・・誤
以上により、答えは「1」。


【類題2】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(令和1年・東京都・問67)


a ジフェニドール塩酸塩は、排尿困難の症状がある人では、その症状を悪化させるおそれがある。

b スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。

c ジプロフィリンは、脳への抑制作用により、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、配合されている。

d メクリジン塩酸塩(塩酸メクリジン)は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長い。


1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)











【解答】
a・・・正
b・・・誤
c・・・誤
d・・・正
以上により、答えは「3」。

★私は一瞬、問題文bを「正」としてしまいました。「抗ヒスタミン成分」ではなく、「抗コリン成分」でしたね。



【類題3】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)及びその成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(令和1年・新潟県・問66)


a 主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されるが、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない。

b ジフェニドール塩酸塩は、白内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがあるため、使用前に治療を行っている医師等に相談することが望ましい。

c 3歳未満では乗物酔いが起こることはほとんどないとされており、3歳未満の乳幼児向けの製品はない。

d 眠気を促す成分は入っていないため、服用後の車の運転は問題ない。


1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)











【解答】
a・・・正
b・・・誤
c・・・正
d・・・誤
以上により、答えは「2」。



【類題4】
   鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に配合される成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。(平成30年・四国ブロック・問27)


a ジメンヒドリナートは、ジフェニドール塩酸塩の一般名で、内耳にある前庭と

脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。

b プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分については、外国にお

いて、乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告がある

ため、15歳未満の者では使用を避ける必要がある。

c スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、腎臓で速やかに代謝されるため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。

d 胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、ニコチン酸アミドが配合されている場合がある。


下欄
     a b c d
1 誤 誤 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 正 正 誤 正












【解答】
a・・・誤
b・・・正
c・・・正
d・・・誤
以上により、答えは「4」。



【類題5】
   鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(平成29年・東京都・問67)


a スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。

b ジメンヒドリナートは、外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。

c アミノ安息香酸エチルは、胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として配合されている場合がある。

d カフェインは、脳に軽い興奮を起こさせて、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として配合されている場合がある。


1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)












【解答】
a・・・誤
b・・・誤
c・・・正
d・・・正
以上により、答えは「5」。



【類題6】
   鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の代表的な配合成分に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。(平成28年・北海道・問26)


1 スコポラミン臭化水素酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。

2 メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が短い。

3 ジフェ二ドール塩酸塩は、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させるほか、乗物酔いに伴う頭痛を和らげる作用も期待される。

4 プロメタジンを含む成分には、外国において乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。











【解答】
1・・・誤
2・・・誤
3・・・誤
4・・・正
以上により、答えは「4」。



【類題7】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する記述について、正誤の正しい組み合わせはどれか。(クリスタル作成問題)


a めまい(眩暈)は、体の平衡を感知して、保持する機能(平衡機能)に異常が生じて起こる症状であり、内耳にある平衡器官の障害や、中枢神経系の障害など、様々な要因により引き起こされる。

b 抗ヒスタミン成分は、脊髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射抑える作用を示す。

c 乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されるが、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することができる。

d ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。



      a b c d
1  正 正 誤 誤
2  正 誤 正 正
3  正 誤 誤 正
4  誤 正 誤 正
5  誤 正 正 誤












【解答】
a・・・正
b・・・誤
c・・・誤
d・・・正
以上により、答えは「3」。



【類題8】
    鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する記述について、正誤の正しい組み合わせはどれか。(クリスタル作成問題)


a スコポラミン臭化水素酸塩は、消化管からよく吸収されるので、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。

b プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分については、外国において、乳突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるが、7歳以上15歳未満の小児での使用はさしつかえない。

c 胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、アミノ安息香酸エチルのような局所麻酔成分が配合されている場合がある。アミノ安息香酸エチルが配合されている場合には、7歳未満への使用は避ける必要がある。

d 脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、カフェインやジプロフィリンなどのキサンチン系と呼ばれる成分が配合されている場合がある。



     a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 誤












【解答】
a・・・正
b・・・誤
c・・・誤
d・・・正
以上により、答えは「3」。