来年度の登録販売者試験の合格を目指す方へのサポートのために投稿しています。登録販売者試験に合格するためには、「試験問題の作成に関する手引き(以下、「手引き」と書きます)」を読み込むことが必要だと私は考えています。


    そこでまずは「手引き」を読んでもらい、切りのよいところで力試しに令和1年北海道の登録販売者試験問題を解いてもらっています。(ところが令和1年の北海道では出題されませんでしたので、私が作成した問題を解いてもらいます。)


    そうすることで「手引き」の読み込みと試験に受かる実力が養成されると思います。


    今日の「手引き」は第2章の「Ⅲ 症状からみた主な副作用」の中の「3 体の局所に現れる副作用」という分野です。この分野は「1)消化器系に現れる副作用」、「2)呼吸器系に現れる副作用」、「3)循環器系に現れる副作用」「4)泌尿器系に現れる副作用」、「5)感覚器系に現れる副作用」そして「6)皮膚に現れる副作用」の6つに別れています。


    今日はこのうちの「 5)感覚器系に現れる副作用」です。「手引き」の分量はコンパクトです。しっかり読み込んで問題に取り組んでください。



 5)感覚器系に現れる副作用

    (a) 眼圧上昇

    眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある。

    例えば、抗コリン作用がある成分(具体的な個別の成分については、第3章を参照して問題作成のこと。)が配合された医薬品によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。特に緑内障がある人では厳重な注意が必要である。眼圧の上昇に伴って、頭痛や吐きけ・嘔吐等の症状が現れることもある。高眼圧を長時間放置すると、視神経が損傷して不可逆的な視覚障害(視野欠損や失明)に至るおそれがあり、速やかに眼科専門医の診療を受ける必要がある。

    (b) その他

    医薬品によっては、瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等の副作用が現れることがある。眠気と同様に、そのような症状が乗物や機械類の運転操作中に現れると重大な事故につながるおそれがあるので、散瞳を生じる可能性のある成分が配合された医薬品を使用した後は、そうした作業は避けなければならない。

★青字は脚注

【練習問題】
    感覚器官に対する副作用として眼圧上昇がある。この眼圧上昇に関する次の記述のについて、(      )に入るべき正しい語句の組み合わせはどれか。(クリスタル作成問題)


    眼球内の角膜と( a )の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある。例えば、( b )がある成分が配合された医薬品によって眼圧が上昇し、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。特に( c )がある人では厳重な注意が必要である。


      a           b                                  c
1  毛様体   抗アドレナリン作用   白内障

2  毛様体   抗コリン作用  白内障

3  水晶体   抗コリン作用   緑内障

4  水晶体   抗コリン作用   白内障

5  水晶体   抗アドレナリン作用   緑内障












【解答】
a・・・水晶体
b・・・抗コリン作用
c・・・緑内障
以上により、答えは「3」。

【解説】
    この単元は試験問題として単独で出たのを見たことがありませんが、単独で出るとしたら、私が作成したような感じになるのではないかと予想します。

    このような空欄穴埋め問題が出た場合はどうするか。まずは、答えが書いてあるので焦らないことです。

    まずは空欄aですが、角膜とくれば水晶体が入るのはわかると思います。そして空欄cには緑内障か白内障が入る訳ですが、見えずらくなっても白内障で失明することはまずありません。よって空欄cは緑内障が入りそうだということがわかります。

    最後に緑内障といえば、抗コリン作用薬はペアのようなものですから、空欄bは抗コリン作用が入ります。

    さて、抗コリン作用で眼圧上昇し、緑内障に禁忌であることを知らないと大変危険です。

    全ての緑内障の患者の方が抗コリン作用を持つ薬物の使用(点眼および内服)ができないわけではありませんが、それは眼科専門医しか判断できませんので、我々は抗コリン作用がある医薬品の販売については、慎重に対応するべきだと思います。


   では、「手引き」を再度引用します。ここはあまり出ないところですが、出たとしてもなんとか解けるように「手引き」をよく読んでおいてください。


 5)感覚器系に現れる副作用

    (a) 眼圧上昇

    眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある。

    例えば、抗コリン作用がある成分(具体的な個別の成分については、第3章を参照して問題作成のこと。)が配合された医薬品によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。特に緑内障がある人では厳重な注意が必要である。眼圧の上昇に伴って、頭痛や吐きけ・嘔吐等の症状が現れることもある。高眼圧を長時間放置すると、視神経が損傷して不可逆的な視覚障害(視野欠損や失明)に至るおそれがあり、速やかに眼科専門医の診療を受ける必要がある。

    (b) その他

    医薬品によっては、瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等の副作用が現れることがある。眠気と同様に、そのような症状が乗物や機械類の運転操作中に現れると重大な事故につながるおそれがあるので、散瞳をふ生じる可能性のある成分が配合された医薬品を使用した後は、そうした作業は避けなければならない。

★青字は脚注

    今日は【類題】はお休みです。