漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。(近畿ブロック問55)

a 一般の生活者においては、「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がなされていることがある。

b 漢方薬を使用する場合は、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが重要である。

c 現代中国で利用されているに基づく薬剤は、中薬と呼ばれ、漢方薬のうちに含まれる。

d 基礎疾患やアレルギー歴が不明確な患者においては、漢方処方製剤が積極的に使用されるべきである。

     a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正








【解答】
a・・・正
b・・・正
c・・・誤
d・・・誤
以上により、答えは「3」。

【解説】
    今日の問題は、言わば「漢方処方製剤とは何ぞや❓️」的な問題で、しばしばあちこちで出題されています。

   私は今日の問題は簡単だったのですがみなさんはいかがでしたか。漢方処方製剤を扱う場合の基本スタンスですからしっかり身につけてください。

    では、「試験問題の作成に関する手引き」を確認してみます。

【問題文a】p187
    一般の生活者においては、「生薬製剤はすべからく作用が緩やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がしばしば見られることがある。

【問題文b】p181~182
    漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。

【問題文c】p181
    注意しなくてはならないのは、現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、漢方薬ではなく、中薬と呼ばれ、漢方薬とは明らかに別物であることであるclvii。

★clvii 中医学は、日本において発展してきた漢方医学と基は同じであるが、中国において発展してきたものであり、漢方医学とは考え方等が異なっている。中医学で使用する薬を中薬と呼び、個々の使用する人に応じて、生薬を組み合わせたものが用いられる他、中医学の考え方に基づき近年では工業的に製剤化されたもの(中成薬)ものも存在する。中薬のほとんどは、日本では医薬品として認められていない。

【問題文d】p181~182
    漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。

★問題文dの内容が直接書かれている部分はありませんが、上に引用した部分から問題文dは「誤」と判断できると思います。