アレルギー(過敏反応)及びアレルギー用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。(北陸・東海ブロック問44)

a 皮膚症状が治まると喘息が現れるというように、種々のアレルギー症状が連鎖的に現れる場合は、一般用医薬品によって一時的な対処を図るよりも、医療機関で総合的な診療を受けた方がよい。

b メチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用により痒みを鎮める効果を期待して、アレルギー用薬に用いられることがある。

c ケイガイは、モクレン科のタムシバ等の蕾を基原とする生薬で、鎮静、鎮痛の作用を期待してアレルギー用薬に用いられることがある。

d プソイドエフェドリン塩酸塩は依存性のない成分であり、長期連用が推奨される。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)








【解答】
a・・・正
b・・・正
c・・・誤
d・・・誤

【解説】
    このような正誤の組み合わせを答えさせる問題は、絶対に「正」あるいは「誤」だと自信がある問題文を見つけて、選択肢の問題文の組み合わせから選べる選択肢を絞って行くのが正攻法でしょう。

    私は今日の問題を次のように攻略しました。

    最初に着目した問題文は「問題文c」でした。

    「問題文c」のケイガイの基原植物は「ケイガイ」ですから、この時点で「誤」です。

    すると、選べる選択肢は「問題文c」を含まない「選択肢1」か「選択肢4」の2択になりました。

    そして自動的に「問題文a」は「正」に決まります。まぁ、「問題文a」は「正」であろうことはわかるかと思いますが・・・。

    次に着目した問題文は「問題文b」です。これは、「正」しいです。実際に佐藤製薬の「スラジンS」に「問題文b」の目的で配合されています。

    この時点で、選ぶべき選択肢が確定しました。それは「1」です。

    「問題文d」は「プソイドエフェドリン塩酸塩」は「長期連用が推奨される」医薬品ではないので、「誤」です。

    では、「試験問題の作成に関する手引き」の該当部分を確認してみます。

【問題文a】p143
    皮膚症状が治まると喘息が現れるというように、種々のアレルギー症状が連鎖的に現れることがある。このような場合、一般用医薬品によって一時的な対処を図るよりも、医療機関で総合的な診療を受けた方がよい。

【問題文b】p140
    メチルエフェドリン塩酸塩については、血管収縮作用により痒みを鎮める効果を期待して、アレルギー用薬でも用いられることがある。

【問題文c】p141
ケイガイ
    シソ科のケイガイの花穂を基原とする生薬で、発汗、解熱、鎮痛等の作用を有するとされ、鼻閉への効果を期待して用いられる。

★尚、「問題文c」の内容は、生薬の「シンイ」に関するものです。

シンイ
    モクレン科のタムシバ、コブシ、ボウシュンカ、マグノリア・スプレンゲリ又はハクモクレン等の 蕾を基原とする生薬で、鎮静、鎮痛の作用を期待して用いられる。

【問題文d】p140
    プソイドエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩については、依存性がある成分であり、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。

【参考】p241~242
    濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(平成26年厚生労働省告示第252号)は、次に掲げるもの、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤とされており、対象の医薬品を販売する際には確認を行ったうえで適正に使用されるよう販売する必要がある。
 ⅰ)エフェドリン
ⅱ)コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ⅲ)ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ⅳ)ブロモバレリル尿素
ⅴ)プソイドエフェドリン
ⅵ)メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)

ということで、プソイドエフェドリンもメチルエフェドリンも濫用のおそれのある成分として厚生労働大臣の指定成分になっています。