【問63】次の【A欄】の漢方処方製剤は泌尿器用薬として用いられるものである。この中で体力に関わらず使用できるものはどれか。
【A欄】
牛車腎気丸、八味地黄丸、六味丸、猪苓湯、竜胆瀉肝湯
1 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
2 八味地黄丸(はちみじおうがん)
3 六味丸(ろくみがん)
4 猪苓湯(ちょれいとう)
5 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
【解答】
答えは、「4」。
【解説】
今日の問題は昨日と同じ範囲からの出題です。
いつものように今日の問題のベースになった「試験問題の作成に関する手引き」の該当部分を引用しますので、ご確認ください。
(a)牛車腎気丸
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。
(b)八味地黄丸
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重,耳鳴り)、尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
(c)六味丸
体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、箨み、夜尿症、しびれに適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
(d)猪苓湯
体力に関わらず、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿惑、頻尿、むくみに適すとされる。
(e)竜胆瀉肝湯
体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
構成生薬としてカンゾウを含む。
★明日も、この分野の問題を作ります。よろしくお願いいたします。