【問60】次の文は乙字湯(おつじとう)に関する記述である。( )内に入るべき語句の正しい組み合わせはどれか。
乙字湯は、体力( a )で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
通常、構成生薬として( b )を含む。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。
短期間の使用に限られるものでないが、切れ痔、便秘に用いる場合には、( c )服用して症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。
1(a)充実(b)カンゾウ(c)5~6日間
2(a)中等度以上(b)ダイオウ(c)5~6日間
3(a)充実(b)ダイオウ(c)1週間位
4(a)中等度以上(b)ダイオウ(c)1週間位
5(a)充実(b)カンゾウ(c)1週間位
【解答】
a・・・中等度以上
b・・・ダイオウ
c・・・5~6日間
以上により答えは、「2」。
【解説】
痔疾用の内服用の漢方処方製剤は、この「乙字湯」と「弓帰膠艾湯(きゅうきちょうがいとう)」しかありませんので、出題されるとしたら、このような穴埋め問題だと思われます。
「便秘=ダイオウ」に気づけば、選択肢を「2」、「3」、「4」に絞れます。しかし、( a )と( c )に入る語句が難しかったと思います。これを機会にしっかり覚えてしまいましょう。
では、いつものように今日の問題のベースになった「試験問題の作成に関する手引き」の該当部分を引用しますので、ご確認ください。
(a)乙字湯
体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
通常、構成生薬としてダイオウを含む。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。短期間の使用に限られるものでないが、切れ痔、便秘に用いる場合には、5~6日間服用して症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。