ここしばらく自律神経系の問題に取り組んでいただきました。この辺で自律神経系の新作問題に取り組んでいただこうと思います。

 私は元々、昨日取り組んでいただいたような章をまたがった知識を必要とする問題を考えていました。昨日の膀胱の問題は体性神経系のコントロール下にある膀胱括約筋と自律神経系のコントロール下にある排尿筋の働きを知らないと解けません。


 私が考えたのは目に関する問題です。

 では、さっそく問題を発表したいと思います。


 (  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを答えよ。なお、同じ記号には同じ語句が入る。

 目は主に( a )の厚みを変化させることによって、遠近の焦点調節が行われている。( a )は、その周りを囲んでいる( b )の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときにはく厚みが増し、遠くの物を見るときは扁平になる。また( c )の伝達物質である( d )は( a )の周りを囲んでいる( b )に作用して、目の調節機能に関与している。目を酷使すると( d )を分解する(コリンエステラーゼ)の働きが活発になり、目の調節機能が低下し、目の疲れやかすみといった症状を生じる。
 ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、( a )におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。


選択肢

1a(水晶体)  b(毛様体)  c(自律神経系)  d(アセチルコリン)

2a(毛様体)  b(水晶体)  c(自律神経系)  d(アセチルコリン)

3a(水晶体)  b(毛様体)  c(交感神経系)  d(ノルアドレナリン)

4a(毛様体)  b(水晶体)  c(副交感神経系)  d(アセチルコリン)

5a(水晶体)  b(毛様体)  c(副交感神経系)  d(アセチルコリン)



【解答】

a・・・水晶体
b・・・毛様体
c・・・自律神経系 
d・・・アセチルコリン

以上により、答えは「1」。



【解説】

★(  c  )に入る語句は「自律神経系」ではなく「副交感神経系」でも良さそうですが、「試験問題の作成に関する手引き(以下、「手引き」と書きます。)」ではしっかり「自律神経系」と書いてあるので、ここは「自律神経系」を正解とします。

★(  d  )は直前に重大なヒント(コリンエステラーゼ)が書いてあるので、「アセチルコリン」だとわかるでしょう。

★今日の問題は、「手引き」第2章p31L372~p32L374と第3章p150L3073~3078を出典としています。第2章では「遠近の焦点調節」と書かれており、第3章では「目の調節機能」と書いてありますが、同じことを指しています。注意が必要です。各人でご確認ください。