WWE TLC: Tables, Ladders & Chairs 2020 12/20/2020
WWE王座戦-TLCマッチ
ドリュー・マッキンタイア(c)対AJスタイルズ(w/オモス)
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ドリュー・マッキンタイア(c)対AJスタイルズ(w/オモス)対ザ・ミズ(w/ジョン・モリソン)

序盤〜中盤の作り方はさすが歴戦の猛者という形で、マッキンタイアのパワーとタフさを示す流れでは、AJの受けのセンスが光り、対抗策であるAJの脚攻めでは、ラダーを活用する等AJのテクニックが光るのと同時に、マッキンタイアのダメージ表現も上々。このクラスの腕があると自然とストーリーメイク出来るのは強い。テーブルスポットを挟んだ後、MITBの権利を持つミズとモリソンが登場し3ウェイに。只AJの用心棒であるオモスが目立ち過ぎてしまったが為に、ミズのキャッシュインが霞んでしまったのは残念。もう少しミズの王座奪取の可能性を大きく示せば、ドラマ性も上がったはず。中盤までの作り込みに比べると終盤の弱さが目立った内容。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

WWE SD女子王座戦
サーシャ・バンクス(c)対カーメラ

ギミックチェンジとヒールターンを行ったカーメラが抜擢。サーシャがキャリーしながら、見栄えが良い技をテンポ良く打ち、ニアフォールの攻防等を多く加えた一進一退の攻防。あわやというシーンもあり、想像よりもスリリングで見応えのある内容に仕上がっている。
平均的良試合。
評価:***1/4

WWEユニバーサル王座戦-TLCマッチ
ローマン・レインズ(c)(w/ポール・ヘイマン)対ケビン・オーウェンス

オーウェンスが奇襲し先制すると、あっという間にジェイ・ウーソが介入し、実質ハンディキャップ戦に。あまりにもチートすぎるものの、オーウェンスなら乗り越えてくれるだろうという期待感があり、実際に難しい攻守のバランスも絶妙に調節していたのは見事。

恐らくモクスリーが残っていたら、この役はアンブローズとしてやっていたのだろうが、オーウェンスも反体制役をやらせたら屈指のものを持っていて、それでいてハードコア戦なら確実。絶好調ヒールレインズ+オーウェンス+ハードコア=極上の逸品。戦前に予想していた通りいやそれ以上のクオリティと熱量を持っている。
TLCを徹底的に使い、繋ぎの攻防ですら立てた椅子やラダーへの投げにテーブル葬連発とデスマッチ顔負けのハードさ。それに加えレインズとオーウェンスの見事な表情作りも色を添える。これでもかと絡むジェイは、イライラ要素ではあるが、アクション量を増やす役、間延びを防ぐ役を担い、しっかりとボコボコにされているので、重要な役割を果たしていた。注文を付けるなら、高所落下等の飛び切りのスポットがない位で、バリケード破壊もあり、これでもかとTLCを活用し、凶器使用時以外も上々とあれば隙は見当たらない。高い期待を更に超える大激戦。WWEとしては年間ベスト級の名勝負です。
評価:****1/2

ファイアフライ・インフェルノマッチ
ランディ・オートン対”ザ・フィーンド”ブレイ・ワイアット

ケイン関係以外で初めてのインフェルノマッチ。火をつけたら勝ちというバカバカしさがメインのまさにWWEの専売特許といえる本形式ではあるが、ケインやテイカーがいなくて、この2人なので、過去の試合に比べると攻防はまとも。場外戦や凶器攻撃を使いつつ、火を使った演出も使う。シネマティックマッチにはもってこいの内容。只オカルト感は薄め。ワイアットも怪奇派ハイパーアーマー設定はあるものの、攻防が堅実なので、迫力はない。ケインやテイカーの様に迫力押しが出来ないのは辛い。ケイン対MVP戦の様に、片方が服を着ているではなく、どちらが勝つかわからなくはしているものの、正直勝ち負けや細かなクオリティの確保は、スケール感を失わせる。そして散々ハイパーアーマー設定を付けたワイアットが、RKO1発で沈むのは詰めが甘い。どうせなら凶器でボコボコにしてから丸焼きにして欲しかった。想像よりも良い試合で、WWEにしか出来ない演出は見所十分だが、アレクサは出てこない、フィーンドの立ち位置は良くわからない、オートンのパーカー姿はやっぱりダサいと、インフェルノマッチの歴史を変える様なものではなく、あくまでもボーナストラックレベルではある。そもそもインフェルノマッチはクオリティを求めるものではないので、別にこれはこれで十分。平均より上。
評価:***

 

全体評価:9